2024年5月、仙台市出身の新人ボートレーサーがデビューしました。兄の背中を追いかけ目標だった舞台へとたどり着いた18歳の挑戦を追いかけました。
東京都府中市にあるボートレース多摩川。6月4日、先輩たちに混じり、練習に励んでいたのは仙台市出身の新人レーサー佐藤世那選手(18)です。
佐藤世那選手:
「スピードを持った旋回が好きなのでそういうところを積極的にやっていきたい」
最高速度80キロのスピードや迫力あるターンでの攻防が魅力のボートレース。現在は、10代から70代までおよそ1600人のレーサーが激しいレースをくりひろげています。
佐藤世那選手:
「かっこいいスポーツだなと思う。東北出身のレーサーが少ないので東北を盛り上げるレーサーになっていきたい」
そんな厳しい勝負の世界で第一歩を踏み出した世那選手。5月に行われたデビュー戦は6着だったものの、続く2戦目では3着に食い込むなど早くも潜在能力の高さを見せました。
佐藤世那選手:
「本当はめちゃめちゃ緊張するタイプなんですけどその時はなぜかしなかったです。緊張がなかったのでスタートもそれなりにいけて内の方もちゃんと見て旋回できたので緊張がなかったのが大きい」
そんな世那選手にはライバルとして強く意識している選手がいます。
お兄ちゃんみたいになりたい!
世那選手の「ライバル」。それは、兄の佐藤右京選手(22)です。右京選手は2023年5月にデビューし2024年4月、悲願の初勝利をあげました。
佐藤右京選手:
「めっちゃうれしかったです。(弟が)デビューする前で焦っていたんですけど何とか。負けられないですね」
佐藤世那選手:
「運動神経とかもお兄ちゃんの方がいいのでそういう部分で負けていて悔しかったのでライバルですね。自分はとても意識しています」
2人の両親・一也さんと由美さんです。小さい頃の世那選手についてこう振り返ります。
父・一也さん:
「お兄ちゃんが好きなので弟くんは。お兄ちゃんみたいになりたいって言って目指したんだとは思う」
小学生の頃から活発だったという世那選手。気が付くと兄の背中を追いかけボートレーサーになることを決意していたといいます。
母・由美さん:
「高校1年生の3者面談で就職するか進学するかの話があった時にもう(ボートレーサーになることを)決めていた」
ボートレーサーの養成所で行われる本番さながらのリーグ戦でもトップクラスの成績を収めていた世那選手。成績上位6人で争うチャンプ決定戦にも出場しました。しかし…。
リベンジ果たした弟に兄が送った言葉
養成所の成績上位6人で争う「チャンプ決定戦」。世那選手はターンマークに激突し、転覆。失格となりました。家族の前で悔しさをにじませたといいます。
父・一也さん:
「もうずっと泣いてました。『最後の最後で転覆してせっかく応援してもらったのにすいません』みたいな言葉はもらいました」
この悔しさをバネに2戦目で3位という結果を残した世那選手。レース後には兄の右京選手から母・由美さんにこんな連絡が入りました…。
父・一也さん:
「お互いプロのレーサーなのでレースではバチバチやりあって兄だけど先輩ではあるし、レース場出たら兄弟、お互い刺激し合って高めていってもらえたら理想」
兄の言葉を胸に初勝利へ!
兄・右京選手を「ライバル」とは言いつつも、世那選手はプロとしてはまだ駆け出し。練習では、兄からのアドバイスに耳を傾けます。
佐藤世那選手:
「外から見て言ってくれるの本当にありがたいですし、自分の成長にも繋げていけるのでありがたい。お兄ちゃんと一緒にボートレース界を盛り上げられるよう頑張りたい」
東北を盛り上げられるボートレーサーへ。世那選手は、兄の背中を追いかけまずは「初勝利」を目指します。
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