青森県おいらせ町の小学校のグラウンドで12日朝、クマが目撃されました。クマは、12日だけで小学校を含めて町内5か所で目撃されていて、町はクマが地域を移動しているものと見て、警戒を強めています。

今野七海記者
「けさ、クマが目撃されたおいらせ町の甲洋小学校です。こちらにはクマの足跡が残っています。またあちらにはキャベツ畑があるのですが、あちらでもクマが歩いたと見られる跡が残っているということです」

おいらせ町によりますと、12日午前9時ごろ一川目地区にある甲洋小学校のグラウンドでクマ1頭が目撃されました。

クマは体長約1m、体重は40~50kgと推定されていて、その後、学校の敷地から外へ出ていき、けが人はいません。

12日はこのほかにも、小学校周辺でクマの目撃が相次ぎました。

今野七海記者
「甲洋小学校から2kmほど離れたこちらの雑木林で、パトロールしていた警察官が12時20分ごろクマを目撃したということです。きょうの目撃はこれで5回目となります」

クマは12日の午前8時半~午後0時20分にかけて、学校を含めて5か所で目撃されていて、北側から南側へ地域を動き回っていると見られています。

その痕跡は、いたるところに残されていました。

小学校の目撃場所を確認した、おいらせ町の鳥獣保護管理員・昆 元実さんは―。

おいらせ町鳥獣保護管理員 昆 元実さん
「人の足跡に似ているけど…」
Q.これも足跡?
「はい」
Q.どっち向きに歩いている?
「向こうです」
Q.こっちからあっちに向かって?
「向こうへ向かって」

昆さんは、クマは小学校の敷地内を横断して山側の畑へ向かったと推測していて、畑にはクマと見られる足跡が残されていました。

おいらせ町鳥獣保護管理員 昆 元実さん
「(小学校周辺は)ほとんど畑と水田になったから、クマが出てくるのが不思議なくらい。縄張りを作ってその中に入れない若いクマが外へ出たのかな。確実にクマの数は増えていると思います。それだけハンターが減ってます」

人里近くまで行動範囲を広げている「クマ」。学校は対策を強化していて、日中は児童を校舎の外に出さないようにしたうえで、下校するさいも保護者へ児童の引き渡しをしました。

保護者
「怖いですね。学校の中に入ってきたらどうしようかと思いました」

「メールですぐに連絡があって、安心してお迎えできました。しばらくは様子見て、お迎えに来るようにしたいと思います」

おいらせ町によりますと、クマの目撃は2023年の1年間でもまったくなく、12日だけで大きく上回り、町は警戒を強めています。

おいらせ町農林水産課 橋本拓也課長補佐
「1mぐらいのクマが林だけでなく、学校とか民家の方にも出没していますので、とにかく町民の皆さま方には十分に気を付けていただきたい。警察と猟友会と県に相談しながら、今後の対策を協議しながら、あした以降対策を講じていきたい」

おいらせ町は、すべての小中学校の保護者へ13日、登下校時の送り迎えをするよう求めています。

県は全域にツキノワグマ出没注意報を発表していて、クマが出た場所に近づかないようにするなど対策を徹底するよう呼びかけています。

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