12日午前10時20分ごろ、東京都西東京市東伏見のスーパー「オーケー東伏見店」で、地下1階のエスカレーターに80代の女性が首を挟まれた状態で倒れているのが見つかった。意識不明の状態で病院に搬送され、死亡が確認された。

◆私物のカートを押して下りエスカレーターに

 警視庁田無署によると、女性は私物の買い物カートを押しながら、1階から下りのエスカレーターに乗り、売り場のある地下1階で降りる直前に転倒。進行方向から見て左側の手すりの巻き込み口と床の間に首を挟まれた。救急隊が駆けつけたときは、あおむけに倒れていたという。

事故があったエスカレーター

 同店は西武新宿線東伏見駅から南西に約750メートル。今年3月に開店し、エスカレーターも新設された。署は詳しい状況を調べている。  店舗を運営するオーケー(横浜市西区)は「現時点でエスカレーターの設置・稼働・点検状況等に問題は確認されていない。事故原因の調査に全面的に協力している」とコメントを発表。全店舗で、エスカレーター利用者への注意喚起や従業員の巡回強化などの安全対策を徹底するとした。

◆安全装置は? ベビーカーやカートの利用時は?

 事故のあったエスカレーターを製造した、昇降機大手のフジテック(滋賀県彦根市)の広報担当者は「亡くなられた利用者の方のご冥福をお祈りする。事故の詳細を確認中で、警察の調査に協力している」と語った。

事故があったエスカレーターを調べる関係者ら

 同社によると、このエスカレーターに、手すりと床部分にものが挟まった際に自動停止する安全装置がついていたかどうかは、まだ分かっていない。安全装置が作動しなかった可能性についても「不確定で重要な要素であり、現在は調査中」とコメントした。  昇降機の業界団体「日本エレベーター協会」の関係者は「手が挟まれることなどは想定しているので安全装置があれば確実に止まるはず。ただ、薄い衣類や髪の毛だけが挟まれた場合は作動しないことも考えられる」と指摘した。  事故当時、女性は買い物カートを押していた。昇降機メーカー各社は、エスカレーターに乗る際はベビーカーや買い物カートでの利用は避けるように呼び掛けている。  ほぼ毎日のように同店を利用するという女性(86)は「荷物が重いので、自宅から買い物カートを押してきて、そのままエスカレーターに乗ったことがある。危険が分かったので、今後はエレベーターを利用したい」と話した。(昆野夏子) 

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