きのう山形県西川町で、73歳の男性がクマに襲われ、腕や下腹部を嚙まれました。命に別状はありませんでしたが、近くでの住民からは不安の声もきかれます。

警察などによりますときのう午後、西川町志津で、一人でタケノコを採りに来ていた川西町の73歳の男性がクマに襲われ、右腕や下腹部をかまれるケガをしました。


男性は命に別状はないということですが、付近で宿泊施設を営む人からは不安の声がきかれました。

スキー客などが宿泊する施設を長年営む 遠藤和男さん「クマが登山者を襲ったということは今までなかったのよ。時たま、クマを見てきたというお客さんはいる。この頃、秋田のように頻繁に人間が襲われるということは、ちょっと考えもんだな」


今シーズン初のクマによる人への被害の発生に、県でも警戒を強めています。

県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「非常に人身被害というのは、痛ましい事故」

県でクマなどへの対策を検討する部署の担当者はクマにとってこの時期は、非常に重要なタイミングであるといいます。

県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「これから夏に向けて、繁殖期ということになる。雄グマから子グマを守る行動に出るんです」


県によりますと、繁殖期を迎えた雄グマは子グマを襲う習性があります。このため雌グマは子グマを守るために行動範囲を広げていて、さらに神経質になっているといいます。


クマの繁殖期は春から夏にかけて続くとされていて、去年は人的被害5件のうち4件が5月から8月に起きていました。

県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「近年、里山の手入れがされていなくなっている。以前ですと、クマと人間との住みわけがきちんとなされていた。それが手入れが行き届かなくなって境界があいまいになってきている」


県では、人とクマとの境界を区別するために、人が出した生ごみや、木に実った果樹を放置しないこと、山に入る際は音の出るものを身に着けて、人間の存在を知らせるといった基本的な対策を呼び掛けています。


県環境エネルギー部みどり自然課 石山栄一 課長「森、山は(クマにとって)自分の領分だと。逆に人は侵入者であるということが言えると思います。そういうことを前提に、山に入っていただきたい」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。