北海道空知地方の奈井江町で、地元の猟友会が報酬の低さなどを理由にヒグマ駆除などの活動を辞退している問題で、奈井江町が猟友会への依頼を断念したことがわかりました。

奈井江町 三本英司町長
「申し訳ないけど、断念せざるをえないとお伝えをしました」

11日午前、HBCの取材に応じた奈井江町の三本英司町長。

奈井江町では、地元の猟友会が、町に対し報酬の増額などを求めていましたが、町が提示した1日最大1万300円の報酬額が「不十分」として猟友会は活動を辞退していました。

奈井江町 三本英司町長
「単純に報酬だけの問題だったら、実は簡単な話なんですけれども…」

三本町長は、猟友会の考えが報酬額だけではなく、有害駆除に対する国や北海道の対策など、奈井江町単体で解決できる話ではなかったと主張しています。

奈井江町 三本英司町長
「それを待っている時間的余裕は私にはない。奈井江町民をどんなことしても守るだけの最低限の体制を整えたい」

これに対し、猟友会側は「町はヒグマの駆除を理解していない」と主張していて、「何かあったときに責任を負うのは我々ハンターだ」と話しています。

北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長
「中途半端でやる事の危険さを全然理解していない」

山岸部会長によりますと、8日に三本町長から報酬の増額を含めた猟友会側の要望を「早急に検討する」との回答がありましたが、猟友会側は「町の提案する考えではうまくいくはずがない」として打診を断ったということです。

猟友会への依頼を断念することになった奈井江町。

今後は、ヒグマの捕獲や殺処分を猟友会に所属していない別のハンターや民間の業者に委託する方針です。


奈井江町のヒグマ駆除をめぐる問題で、地元猟友会と町のそれぞれの主張です。

猟友会側は、報酬の増額、クマの解体は、町が実施するなどを要望しています。

一方、奈井江町の三本町長は、「報酬額の増額だけなら簡単だが、猟友会の求める要望は町単体だけでは解決できない」と両者の主張は、平行線をたどっていました。

住民に危険が及ばないためにも自治体と猟友会が協力体制を築いてほしいと思います。

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