2021年5月、静岡県富士市内で当時37歳の男性を金属バットで何度も殴り、殺害した罪に問われている男の裁判が2024年6月11日、静岡地方裁判所沼津支部で始まり、男は起訴内容を否認しました。

殺人の罪に問われているのは、覚せい剤取締法違反の罪で静岡刑務所で服役中の無職の男（40）です。

起訴状などによりますと、男は2021年5月、富士市の男の自宅で、当時37歳だった男性の頭などを金属バットで複数回殴り、殺害した罪に問われています。

11日、地裁沼津支部で開かれた初公判で男は「殺意はなかったと思います」として起訴内容を否認しました。

冒頭陳述で検察側は男が「知人を殺してしまった」と、自ら警察に通報したことなどを挙げて一定の判断力が残っていたと指摘した一方、弁護側は知人である被害者の頭部を何度も殴るなどしている状況から善悪を全く判断できない「心神喪失」の状態であったと無罪を主張しました。

この事件をめぐっては男の鑑定留置の結果、静岡地方検察庁沼津支部が殺人容疑を不起訴処分としていましたが、その後、検察審査会が「不起訴不当」と議決、地検沼津支部は一転して「責任能力が認められて刑事責任を問える」と判断し、2023年6月、男を殺人の罪で起訴していました。

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