原材料価格の上昇や円安による海外からの輸入コストの増加などで物価の高騰が続いていますが、こうした中、政府による物価高騰対策として実施されるのが「定額減税」です。

定額減税は、物価の高騰などへの経済対策として岸田政権が2023年11月に決めました。税制改正が行われ、2024年度限りの実施とされています。

定額減税について街の人は…

街の人「基本的には政権の人気取りかなと思う。微妙な時期ですね。選挙が近いから選挙のためかなと私は思う」「うれしい。新生活とか始める人もいると思うので引っ越しとかの費用にも充てられるし、そういうのはうれしいと思う」「戻ってくるけれども結局は増税になる。選挙のためのひとつじゃないかと思う。これが終わったらまた上がる。間違いなしに」

1人4万円の減税そのものに対する否定的な意見は聞かれないものの、総選挙に向けた選挙対策では?今後の増税に向けた布石では?といった疑心暗鬼に思うような声が目立ちました。

定額減税の対象になるのは、サラリーマンなど給与を受け取っている人、公的年金の受給者、そして個人事業主の人などで、所得税や住民税を納税している人のうち年収が2000万円以下の方となります。

減税される額は、1人あたり所得税3万円と住民税1万円のあわせて4万円で、いずれも納税している本人に加え、同じ家計の配偶者、扶養に入っている親族も対象です。

4人家族で、全員が減税対象となる場合は合わせて16万円が減税されることになります。

では、減税はどのような方法で行われるのでしょうか。

いわゆるサラリーマンなど給与所得者の場合、所得税は6月の給与もしくは賞与=ボーナスの源泉徴収分から控除されます。もし6月分だけで控除しきれない場合は、7月以降も控除されます。

給与明細に減税額を明記するよう義務付けられていて、企業ではシステムの改修など対応に追われています。一方、住民税は、6月分の納税がなくなり、7月から2025年5月までの11か月間で減税後の税額を均等して納めることになります。

所得の方法などによって控除される時期が異なるほか、所得税と住民税でも減税の方法が違います。

そして公的年金の受給者は、所得税が6月支給の年金の源泉徴収分から控除され、こちらも控除しきれない場合は次の8月分以降で控除されます。住民税は10月の納税分から控除されます。

個人事業主は、原則として2025年の確定申告の際に控除されます。住民税は6月徴収分から控除されます。

このように複雑な定額減税ですが、税を徴収する自治体側も対応に追われています。

金沢市市民税課・川崎徹課長「今回の定額減税については税務システムの改修に大変苦慮した。制度内容が複雑であることに加えて、システムの改修期間が極めて短い時間で改修することが大変だった。複雑な計算をした結果を検証する作業に大変時間を要した」

一方で、気を付けなければならない点も。

金沢市市民税課・川崎徹課長「市民税の税額通知については減税後の状態でお知らせすることとしているので、市民の皆様においては特段、手続き等は必要ない。還付があるといった定額減税を騙った電話、メール等については注意していただきたい。ふるさと納税のような税額控除については、定額減税より先に控除するので特段、影響はない」

詐欺に関してですが、定額減税で市役所から還付や口座に関する連絡はしないということで、このような電話がかかってきたら詐欺ですので対応してはいけません。

また「ふるさと納税」ですが、寄付に対する控除額を決める収入は定額減税する前の金額で計算されます。また前の年度に寄付をした方の控除に関しても定額減税をすることで金額が変わるということはないということです。ただし給与所得者か年金受給者かによって減税される時期が違いますので、まずは自分がどちらに該当するのか把握しておくことが重要です。

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