教員の働き方改革などを議論してきた文部科学省の中教審が19日に行われる特別部会で、公立学校の教員に残業代の代わりに給与に月額4%を上乗せしている「教職調整額」について10%以上に引き上げることを柱とした提言の素案をまとめる方向であることがわかりました。

1971年に制定された「給特法」は公立学校の教員に対し、残業代を支払わない代わりに給与に月額4%を上乗せして支給するという法律です。

法律が定められた当時と比べ教員の職務は多様化していて、月額4%を上乗せしたとしても給与が残業時間に見合わず、給特法が「定額働かせ放題」の温床になっているなどとの批判が教育現場から上がっていました。

こうした状況を踏まえ、中教審の部会では去年6月から教員の働き方改革や、この「給特法」の見直しを含む教員の処遇改善について議論を進めてきました。

これまでの中教審の議論では教職調整額を廃止して、実際の労働時間に応じた残業代を支払うことも検討されましたが、授業の準備や部活動の指導など、どこまでが勤務なのかという線引きが難しく、現在の「給特法」の枠組みは維持したままで、上乗せ分を引き上げるという意見が多数出ていました。

こうした議論を踏まえ、19日の部会では提言の素案がとりまとめられる予定で、「教職調整額」を現在の4%から10%以上に引き上げることを柱としています。

他にも小学校教員の負担を軽減するため、現在小学校5年生と6年生で行われている教科担任制を3年生と4年生にも広げることも盛り込まれています。

また、若手教員へのサポート体制を充実させるため、校長や教頭ら管理職を支える「主幹教諭」と大半を占める「教諭」のポストの間に中堅層の教員を配置する新しいポストを設けることも素案に含める見通しです。

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