RBC「NEWS Link」では沖縄県内41市町村の魅力をお伝えするコーナー「わがまちLink41」を毎週水曜日に放送している。この記事では、 那覇市でも有数の歴史ある市場、栄町市場の魅力を新店舗情報も盛りだくさんでお送りする。

▽下地ゆみなディレクター
「栄町市場にやってきました!昔から変わらない懐かしい雰囲気が魅力ですよね。
魚屋さんやお肉屋さん、八百屋さんなど、生活に欠かせないお店が並んでいます。すが、ここ最近、新しいお店も出来たということで、さっそく行ってきましょう!」

「栄町」は地名ではなく、エリア一帯の通称。夜の飲食店がにぎわうイメージも強い街だが、もちろん、昼もにぎわっている。ここ2年でオープンした店舗は、15店舗以上あり、そのうち昼に営業している店舗は7軒ある。

那覇市で人気のパンの店、「いまいパン」。その姉妹店となるお店が、3月にオープンした。一番人気は、シナモンロール。

「THE SAKAEMACHI ARCADE BAKERY」2023年3月20日オープン
営業時間:午前11時30分~午後5時頃 ※売り切れ次第終了 定休日:火、木、日



下地ディレクターが試食してみた。

▽下地ゆみなディレクター
「シナモンの匂いがすごくします!生地がモチモチして柔らかいです。上は、レモンのクリームチーズのクリームが乗っていて、以外にさっぱりして美味しいです」
「すごい、やわらかい!」

ー反響は?
▽スタッフ 神谷育恵さん
「すごく良かったです。この市場にパン屋さんが無かったので。オープンしたら皆さん喜んで頂いて。日常的に利用して頂いていますね、ありがたいです」

「庶民の台所」からの移り変わり

今どきのお店でにぎわう栄町市場だが、現在の様子からは想像もつかない歴史がある。戦前には・女学校が建っていた。「ひめゆり学徒」が学んだ、「沖縄県立第一高等女学校」と、「沖縄県師範学校女子部」だ。


生徒たちは沖縄戦に動員されて多くが犠牲となり、校舎は瓦礫となった。

沖縄戦から4年後。復興が本格化し、区画整理が進むと、公営の市場、映画館や新聞社、公営バス。また料亭通りが設けられ、住居と店が混在する地域づくりの計画が進んでいった。

そして栄町市場は、「庶民の台所」として発展していく。



しかし 20年前から夜もにぎわいはじめ、コロナ禍以前には昼と夜の店舗が同じ数にまで増加。しかしコロナ禍を経て、昼に営業する店が減少していったという。

こうしたなか 「昼のマチグワーの景色も残したい」と、若い世代が中心になって昼の店を支えている。そのうちの1つが、1月にオープンしたての「削りたてかつお節専門店 だし出汁」だ。

市場に漂うかつお節のいい香り… 昔ながらの街を若者が盛り上げる

「削りたてかつお節専門店 だし出汁」 2024年1月オープン
飲食営業時間:午前8時~午後2時 ※売り切り次第終了 定休日:日曜日
鰹節販売時間:午前8:00~午後5時


▽店主 上原壮介さん
「今どちらかというと夜のイメージが強い栄町市場なんですが、やっぱり昼も。個性的な店が増えてきているので、どんどんまた人も増えていくのかなと思って、そういう意味でも朝、昼を中心にやっていますね」

店主の上原さんは、お向かいの老舗の八百屋さんの3代目だ。削りたてのかつお節販売はもちろん、店内ではかつお節をたっぷり使った朝食や昼食をとることもできる。お兄さんの寿雄さんと一緒に切り盛りしている。

ー削りたてを出す意味は?
店主 上原壮介さん
「やっぱりその方が香りと味が良いので。なるべく削りたてを出すように心がけています」

朝食の「鰹節ごはんセット」には、ご飯の上にかつお節が「これでもか!」とのってきます。

▽お客さん
「すごく優しい味で、美味しいです」
「このかつお節の柔らかさと風味がすごく良い」

ーなぜ市場にお店をオープンした?
▽店主 上原壮介さん
「かつて2~3軒あったかつお節屋さんが無くなって、かつお節を求める声が多かったので、それで市場でやろうかなと思いました」

「むじ汁」の店に「ブリトー」の店も まさにチャンプルー市場!

今回、古くからの栄町の姿を知る女性にも出会った。田芋の茎を使った「むじ汁」の専門店「万富」を営む、上原慶子さん。なんと50年以上も前から、市場でお店を営んでいるという。

▽「万富」店主 上原慶子さん
「全部そこら辺は、料亭だった。夜のスナックとかじゃなく、料亭だったんです。
今はホテルができてますから、ホテルで食事しますよね。昔はね、料亭で宴会をして、踊り子さんが踊って。だから、私なんかはね、踊り子さんが踊っているところをね。踊っているところを、隙間から見ていましたね(笑)」
「FAB MART」 営業時間:午前11時~午後9時

2022年に市場内にオープンしたのは「FAB MART」。カリフォルニアで人気のメキシカン料理を、沖縄の魚を使ってアレンジしたメニューがそろう。

自家製のトウモロコシの皮に、野菜をたっぷりおき、自家製のツナとツナソースを乗せたお魚タコス。島唐辛子を使ったサルサソースや、オリジナルソースをかけて頂く。試食せずにはいられない下地ディレクターが再び登場だ。

▽下地ゆみなディレクター
「パンチが効いた辛さでおいしい!」「300円にしては、野菜たっぷりでおいしいですよ」「ん~♪ん~♪おいしい!」

自家製のトルティーヤに、タイ米、バター焼きにした島魚、トマトの豆煮込み、
そして、野菜をたっぷり乗せてロールする「ブリトー」も絶品。

ーなぜ栄町市場に出店?
▽根間真也さん
「古くからある市場なんですけど、新しく自分たちで風をというか入れたらいいなと思ったのと、あとやっぱり、昼がちょっと弱いと。お客さんの流れが弱い所があったので、お昼をちょっと盛り上げたいと思って」

栄町市場を訪ねると、昼の市場に活気を取り戻そうと奮闘する人々の笑顔に出会うことができた。

市場にはこのほか、ケーキ店、ビーガンカレーの店、レコードショップなどもある。夜もいいけど、昼もいい栄町、是非訪れてみてほしい。
(取材:下地ゆみな)

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