不正が明るみに出ました。

トヨタなど自動車メーカー5社が、大量生産に必要な「型式指定」の認証試験で不正をしていたことが分かりました。

果たして、車の安全性に問題はないのでしょうか?

(6月4日午前11時ごろ 豊田市民は)
「“不正”って聞くと残念だなって」
「もし自分が乗ってた車で“不正がありました”ってなったら、何が起きるかわからないから、怖いなとは思う」

6月4日、「トヨタ城下町」のみなさんからも「不安の声」が多く聞こえてきました。

(3日 トヨタ自動車 豊田章男会長)
「心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

自動車の大量生産に必要な「型式指定」の取得をめぐって3日、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの5社が「認証不正」を行っていたと発表しました。

対象車は、あわせて500万台以上に上ります。

トヨタ自動車によりますと、不正があったのは、現在も生産中の「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」「ヤリスクロス」の3車種と、すでに生産を終了した4車種のあわせて7車種です。

(3日 マツダ 毛籠勝弘社長)
「大変申し訳ございませんでした」

マツダは、生産中の「ロードスターRF」などあわせて5車種で不正を行っていました。

(3日 ホンダ 三部敏宏社長)
「深くおわび申し上げます」

ホンダは、「フィツト」や「NーBOX」など22車種で不正。

そしてヤマハ発動機は、2輪車「YZF-R1」の騒音の認証試験で不正を行っていました。

スズキは、「アルト」のブレーキ試験でデータの書き換えを行っていました。

国土交通省は、現在生産中のあわせて6車種の出荷の停止を指示しました。

いったいなぜ、こんなことが起きたのでしょうか?

(3日 トヨタ自動車 豊田章男会長)
「当局と相談をしながら、『この仕様で、こういう試験をしましょうね』と決められているというが、そのやり方が非常にあいまいで、かつメーカー間、担当者によって、解釈の仕方によって、ずいぶんやり方が違ってくる場合がある」

(3日 ホンダ 三部敏宏社長)
「都合のいい技術的解釈と言ってもいい」

各社は、国よりも厳しい基準で独自に試験をしているため、安全性に問題はないと説明していますが、国交省は4日…

(斉藤鉄夫 国土交通大臣)
「自動車認証制度の根幹をゆるがす行為であり、極めて遺憾」

そして…

(午前9時半ごろ 大野和之記者)
「道路運送車両法に基づき、国交省がトヨタ自動車本社に立ち入り検査に入ります」

国交省は4日、トヨタ自動車本社に職員5人を派遣して立ち入り検査を行い、試験データの確認のほか、担当者への聞き取りや社内ルールの確認などを進め、今後、認証不正が明らかになったほかの4社の立ち入り検査も行う方針です。

トヨタ自動車は、不正が見つかった3車種については、6月6日から生産を停止することにしています。

今後、出荷停止はいつまで続くのでしょうか?

この問題をめぐっては、ユーザーはもちろんですが、関係するサプライヤーにも大きな影響が出ています。

問題の背景には何があるのか?

(大石邦彦アンカーマン)
「不正の背景にあるものというと、やはり組織が大きすぎて、チェック体制がなかなかうまくいかないということもあるんでしょうか?」

(自動車評論家 国沢光宏さん)
「国交省の基準は70年くらい前にできた。今までの認証システムでは、ちょっと時間がかかりすぎる」

ニッポンのクルマの“型式指定” 国際競争力の点で「これでいいのか?」

(若狭敬一キャスター)
今回の問題の背景には、一体何があるのでしょうか。
まず、不正があった「型式指定」についてまとめます。

(山内彩加アナウンサー)
自動車の大量生産に必要なもので、販売する自動車が国の「保安基準」や「品質管理体制」を満たしているかを審査するものです。
つまり、安全な性能かどうか、また同じものを作り続けられる体制が整っているかどうかを審査して、合格となれば自動車を大量生産することができるんです。

(若狭キャスター)
車の安全と、それを作り続けられる人・体制がどうかが審査されるということですね。

(山内アナ)
本来なら1台ずつ車検に出すべきなのですが、代表した車で試験を受けて、型式指定の審査合格ですとなれば、1台ずつ車検を受ける必要がなくなる訳です。

(若狭キャスター)
ただ、今回は不正に至ってしまった。大石さん、これはなぜなのでしょうか?

(大石邦彦アンカーマン)
自動車評論家の国沢光宏さんに聞いたところ、この型式指定というのは審査対象が膨大で、チェック項目が1万くらいあるそうなんです。
納期が迫られている中で、データを揃えるのに時間がかかってしまう。
国の基準よりも会社の基準の方が厳しいのだから、そちらを採用したのではないかということです。
ただし、不正は不正なのだけれども、今回に関して言うと、危険なデータは見当たらなかったということなんですね。

(若狭キャスター)
ただルールはルールですから、守らなければいけないと思うんですが。

(大石アンカーマン)
そこをしっかり正してほしいなと思うんですけれども、国沢さんはこうも言っていました。
ほかの国と比べると、この認証試験に日本は時間がかかってしまうと。これは国際競争力の面でマイナスではないかということなんですね。
ですから、型式指定のあり方を今後メーカーも一緒になって考えていくべきではないかというふうに話していました。

(若狭キャスター)
自動車産業のすそのは広いですから、視聴者の皆さんの中にも家族が自動車産業で働いている方もおられると思いますので、影響は大きいのではないでしょうか。

(大石アンカーマン)
そうですね。トヨタ関連の中小企業にもいろいろと取材を試みたんですが、コメントは差し控えたいということで断られてしまいました。

そんな中で、トヨタに部品を納品している「千代田鋲螺(びょうら)」の野村社長に聞きました。
この会社は1000種類くらいのネジを作っているんですけれども、そのうちの5割をトヨタに納めているということです。
トヨタが求める品質は非常に厳しいと。ほかの業種やメーカーと比べて厳しいんだと。
だから、トヨタ社内の認証試験も厳しいのは分かるけれども、やはり国の指示通りやるべきだったのではないかと。
今後、生産停止となれば影響は出てくるだろうと。当面は最大で1割くらいは生産が減るのではないかと言っていました。

(若狭キャスター)
ここまでは生産する側から見ましたが、車を買う側、消費者・ユーザー側にも影響が出ていますよね。

(山内アナ)
はい、トヨタでは「ヤリスクロス」や「カローラフィールダー」そして「カローラアクシオ」の3車種が出荷販売停止となりました。
それを受けてSNSでは「先日入金して今週末に納車なんですけど…」とか「納期が延びるっていう電話がきた、不正をしていた事実に信頼がなくなる」という声が上がっていました。

(若狭キャスター)
新車が届く「納車」って本当に楽しみなんですが、それが延びるということですからね。
ただ、大石さん、中古車も結構影響が出ますよね。

(大石アンカーマン)
そういうことですね、今後どうなるんだろうということで、中古自動車のオークション運営会社「USS」に聞きました。
過去の話ですが、メーカーの不正が発覚すると、新車の生産販売が落ち込んでくると、中古車も減ってきますから、中古車の奪い合いになって価格が上がってくるということなんですね。
ちなみに平均落札価格というのは、去年の4月には1台88万円でしたが、ことしの4月には112万円と24万円上がっているんです。
これは、輸出が好調だからということなんですけれども、輸出の好調は変わらないので、過去の事例を考えていくと、価格が下がることは、あまり考えられないのかなと。
むしろ、今後は価格が上がっていくのではないかというふうに、私は取材して感じました。

(若狭キャスター)
いずれにしろ、ユーザーである私たちが安心して車を使えるようにしてほしいと思います。

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