4月7日のソフトバンク戦。同点で迎えた9回裏、一打サヨナラの場面でこの日ヒーローになったのは、今年でプロ13年目・楽天イーグルス鈴木大地選手。

2020年、7年間在籍した千葉ロッテを離れ、楽天イーグルスに移籍。移籍初年度にはベストナイン(三塁手)、ゴールデングラブ賞を受賞するなど、その期待に応えました。

サヨナラを打ったその日、ヒーローインタビューではこんな言葉が。

楽天 鈴木大地選手:
「本当めちゃくちゃほっとしてます、迷惑ばかりかけていたので」

野球に対して一途な姿勢を貫く、彼の今年に懸ける思いを聞きました。

4月7日のサヨナラ打

楽天 鈴木大地選手:
自分自身(今季)ヒット打ってない状況で、このシーズン初めてスタメンで使っていただいて。何となくわかるじゃないすか。ここだな、みたいな。「ここで結果を出せなかったら、次はなかなかもう来ないだろうな」って、ある程度プロでやらせてもらっているので、年齢的にもそうですし、そういうのを感じた一試合だったので。

ここ2年、徐々に出場試合数が減り、特に去年は自己最少の出場数に。その中で思うような結果を残せないシーズンが続きました。

今シーズン初のスタメン、何としても結果を残さなければいけない一戦でしたが…。

ヒットだと思った打球がファール

鈴木大地選手:
4打席目だったかな。自分がヒットだと思った打球がファールで、そのあとゲッツー打って。その時、もう正直「終わったな」って思ったんですけど。そのあとにもう一打席まわってきて、さらに「もうここで結果出さないと今年終わりだな」と思っていました。ここを打てなかったら、もう2軍だなと思っていましたし、そういう気持ちで打席にも立ったので。

サヨナラを演出したのは小深田選手?

迎えた最後の打席で、サヨナラのチャンス。自分の運命をも占う場面で気持ちをほぐしてくれたのは、ファールでバットが折れた時、ベンチにいた小深田大翔選手のささやかな振る舞いでした。

小深田選手が祈りながらバットを渡す…

鈴木大地選手:
ベンチにバットを取りに行くじゃないですか。そしたらコブが祈りながら僕のバットを持ってきてくれて、あれで正直すごく救われました。ちょっと笑いましたし、どういうつもりでやったのかわからないですけど、行くしかないな、やるしかないなと思いました。

そして、バットを交換した直後、ライトへタイムリーを放ち、サヨナラ勝利。

この試合の後、大地選手はスタメン出場の機会も増え、5月には7試合連続ヒットを記録。月間打率も上向き、流れをつかみつつあります。

鈴木大地選手:
あの1本は、自分自身すごくほっとしましたし、あの1本でここまでちょっと波に乗れたのかなというのは思っています。本当に若い子で、いい選手がたくさんいる中で、その一軍の1枠をね、一応僕ら(野手)最年長に与えるっていうのは、なかなか難しいことだと自分自身思っていて。だからこそ「とにかく打たないと」とは思っていて、それは今も変わらずなので。

鈴木大地の継続力とは

試合が行われる日、全体練習が行われる一時間前。まだ誰もいない球場の中、大地選手は1人練習を始めます。練習メニューは決まって、ボールを外野まで飛ばす「ロングティー」。これが大地選手の試合日のルーティンにもなっています。

鈴木大地選手:
ロッテに在籍していた2018年だったと思うんですけど、すごく調子が悪くて。いろんな人と話しをしていたときに、このままだと終わるなって自分で思ったので、とにかく何か…、「自分自身でやるだけやってみようか」と思ったので、とりあえず練習前にロングティーをやろうと思ってやり始めましたね。

番組ディレクター:
基本的には試合がある日は全部ですか。

鈴木大地選手:
全部やっています。移動ゲームも全部やりましたし、雨の日は室内でやりましたし…、そこはちょっと自信持って言えます。やりました(笑)

番組ディレクター:
「きょうはやめようかな」と思う日はなかったのですか。

鈴木大地選手:
やり始めた最初の頃はありました。正直移動ゲームなんて全然時間ないですし、何かを削らないとできなかったので、めちゃくちゃ迷いましたけど、「とりあえずやってみよう」で始めて、やり切るしかないなと思ったので、続けています。
こういう話をたまにいろんな人とする時に「すごいですね」って言われるんですけど、そうなのかな?って。自分自身すごいとか、そういう感覚を持っていなかったので、続けることは、できる方なのかなって言われて感じることはあるんですけど。

鈴木大地選手:
野球をやめるまで、それをやらないっていう選択肢はないと思っているんですけど、野球が終わって、この練習をやめるときに「これだけやってきたんだな」と思えたらいいと思います。なかなか、結果に直結してるんですかって言われたら、わかりませんとしか言えないんですけど。でもやってきて良かったとここまでは思っているので、続けます。

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