大阪府吹田市の放課後等デイサービスで職員の男が送迎中の安全管理を怠り中学1年の男子生徒を死亡させた罪に問われた裁判で男は起訴内容を認めました。裁判を傍聴した遺族は「胸が痛くなり涙を抑えきれなかった」などと心痛な思いを語りました。

起訴状によりますと、宇津雅美被告(66)はおととし12月大阪府吹田市にある放課後等デイサービス「アルプスの森」で利用者送迎の際安全管理を怠り当時中学1年の清水悠生さん(当時13)を死亡させた業務上過失致死などの罪に問われています。

当時、宇津被告は施設の管理責任者で、悠生さんは車から降りたあと行方不明になり近くの川で死亡しているのが見つかりました。

4日の裁判で、宇津被告は起訴内容を認めました。

検察は冒頭陳述で「被害者は突然走り出すなどの特性があり、川に飛び込むことを予見できた」と指摘しました。

▼裁判を傍聴した遺族「息子を思い出し涙が抑えきれなかった」「命を何だと思っているのか」

裁判を傍聴していた母親の亜佳里さんと父親の悠路さんは次のように話しました。

Q裁判を聞いてどのように思いましたか?
(母親の亜佳里さん)
「初めから気持ちがつらかったです。被告を見ることもできなかった。話しを聞いていくうちに息子のことを思い出して胸が痛くなり、涙が抑えきれなかったです。やはり今まで預けていた6年間、あまりにも杜撰で、過去のことも虚偽のことを言われていたことがわかりました。有ったことも無かったことにして、私たちは杜撰さに気付くことができなかった。何かしら気付いていたら施設をやめていたし、子どもが今でも元気で私たちのもとにいたのかなと思うと本当に悔しくてたまらないです」

(父親の悠路さん)
「命をなんだと思っているのかと。過去の事故を隠していたことは、川に飛び込む危険を知っているにもかかわらず、リスクを放置している。6年間を洗いざらい教えてほしい」

Q今後裁判で何を明らかにしてほしいですか?
(母親の亜佳里さん)
「息子の特性は十分に分かっていたことだし、過去に事故もあったのに何の対策もしてこなかった。息子のせいにはしてほしくない。それをきちんと把握して守らないといけなかったのは施設側です。社会に訴えていきたいです」

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