3日朝に石川県能登地方で震度5強を観測した地震について、金沢大学の平松良浩教授(地震学)は、元日の能登半島地震でいわば“滑り残していた”断層の一部が動いたと分析しています。
3日午前6時31分に発生した石川県能登地方を震源とするM6.0の地震では、石川県輪島市と珠洲市で震度5強を観測しました。
震源の位置を詳細に解析した結果、3日のM6.0の地震の震源は、1月の能登半島地震と同じ断層面の、やや深く南寄りの位置にあることが分かりました。
ここ周囲はここ最近、地震活動が落ち着いていた場所で、1月の能登半島地震の際には断層が滑っていなかった可能性があります。
平松教授は「断層が耐えていたところが耐えきれずに、今回のM6の地震が起こってしまった可能性がある」と分析します。
能登半島地震の震源域は、能登半島の西方から、佐渡付近にかけて長さ100キロ以上あります。平松教授は「滑り残している所は、震源域の中にあちこちにあると考えられ、他の場所でM6程度の地震が起こることは十分ありうる」と注意を呼びかけます。
M6.0なのに「M7.4」予測 緊急地震速報なぜ広範囲に?
気象庁は3日、地震波を検知した5.3秒後に、東北から近畿にかけての広い範囲に緊急地震速報を発表しました。
予測された地震の規模は「M7.4」で、震度は石川県能登で震度6弱~7程度、新潟県上越で震度5強~6弱程度、東京23区でも震度4程度でした。
ただ実際の地震の規模は「M6.0」で、緊急地震速報の発表対象となる「震度4以上」を観測したのは、石川県能登と新潟県上越・中越に留まりました。
このことについて、気象庁地震火山部の原田智史地震津波監視課長は3日午前8時半から開いた記者会見で、精査中だとしたうえで「極めて短時間に同じ場所で地震が複数発生したらしいことが分かっている。それが何らかの原因で緊急地震速報のマグニチュードが大きく出てしまった」と述べました。
緊急地震速報には、ごく短い時間に複数の地震が同時に起こると、地震の波形を切り分けることができず、1つの大きな地震として認識してしまう技術的な課題がありますが、速報を見聞きした場合は、テーブルの下に隠れるなどして、身の安全を確保するように心がけてください。
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