新型コロナワクチンの接種後に難病を発症し、その後亡くなった男性の妻を取材しました。医師が因果関係を否定する中、それでも国へ救済申請をした理由とは。

【5月3日】
愛知県内に住む、64歳の女性。

(大石邦彦アンカーマン)
「あっ、これは…」

(女性 64歳)
「主人がいつ帰ってきてもいいように…」

(大石アンカーマン)
「ご主人の靴とスリッパが…ご主人亡くなってどれくらい経つ?」

(女性 64歳)
「今月の29日でちょうど1年」

女性の夫は去年5月、脳出血のため64歳で亡くなりました。
男性に異変が起きたのは、おととし4月。3回目のワクチンを打った半月後でした。

(女性 64歳)
「(4月に接種した)直後は特になかったが、ゴールデンウィークくらいからよく(体を)かきむしったんですね。そうすると血が止まらなくて何か所も出血していて、『おかしいね』という話はしていた」

健康に気をつかっていた男性は2か月に一度血液検査を受けていましたが、正常であれば15万以上ある血小板の数値が7000しかなくなっていたのです。

医師の診断は、「特発性血小板減少性紫斑病」。
免疫の異常によって血小板が減る難病で、ワクチン接種によっても起きることを厚生労働省も認めています。

夫は死亡…担当医師はワクチン死亡事例としての報告を断った

(女性 64歳)
「これは、病院で医師が取った写真」

(大石アンカーマン)
「このあたり、あざのようになってますよね…」

記録として残すために撮影した写真。顔中に赤黒い内出血があざのように広がり、手足も腫れ上がりました。

そこから急激に体調は悪化。

(女性 64歳)
「紫斑がひどくなったすぐ後に、おなかが痛いということで病院の救急外来へ行ったら、『小腸壊死ですぐ緊急手術』と言われて…」

おととし10月には、血栓ができて小腸が壊死し、緊急手術で60センチも切除。去年4月には出血で左目を失明。翌月、脳出血で亡くなりました。

(女性 64歳)
「血小板減少性紫斑病が重症化すると、1割くらいの確率で脳出血のリスクがあると出ていましたので、うちの主人は10%の中に入っちゃったんですよね」

(大石アンカーマン)
「ワクチンとの関係があると思っていた?」

(女性 64歳)
「私は思っていた。亡くなった原因が脳出血だったので、脳神経外科の先生に『ワクチンの副反応じゃないですか』と言ったら、『否定はできないから』というふうに言われたので、救済制度に申請することにした」

夫の死をワクチンの死亡事例として国に報告してほしいと頼みましたが、「因果関係が分からない」と担当の医師には断られました。

女性は去年7月、国の救済制度に申請。
そこには、救済以外にも認定を求める大きな理由が。

(女性 64歳)
「もし認定されれば、もちろん国の責任を追及したい」

「健康でいるために打った予防接種で命を落とすなんて…」遺族の叫び

【東京地方裁判所 4月17日】
(大石アンカーマン)
「患者の会、そして遺族の会で結成されました原告団が、いま東京地方裁判所に入ろうとしています」

先月提訴された、ワクチンを巡る初の集団訴訟。

(青山雅幸弁護士)
「今回の集団訴訟は国の不正義を問い、それをただすための訴訟です」

2193人の死者、約3万7000件もの副反応報告が出ている中、患者と遺族あわせて13人が、ワクチンによる健康被害を薬害と認めて謝罪することと、慰謝料などおよそ330万円の支払いを求めて国を訴えました。

(接種後 息子を亡くした 東正秋さん)
「ワクチンの安全性だけを強調し、危険性の情報は皆無に等しかった国の責任は重大だと思います」

(10代の息子を亡くした女性)
「健康な体でいるために打った予防接種で命を落とすなんて、思ってもいなかった。10代で命を落とすことになった息子を返して下さい。どんな思いで、残された家族は毎日を生きているか、少しでも分かってください」

夫を亡くした女性「検証してもらわないと無駄死になってしまう」

原告団に加わる条件は「救済認定を受けていること」で、女性も亡くなった夫の認定を受けて訴訟に参加したいと考えています。

(女性 64歳)
「ワクチン接種した後の経過もちゃんと検証して、次の世代の人にもやっぱり伝えていかなきゃいけないと思う。検証してもらわないと、うちの主人も無駄死になってしまうし、他の亡くなった人も浮かばれないと思う」
「まさかこんなに早く亡くなるとは思っていなかったので、2人で80歳までは生きるつもりだったので、いまから旅行にでも行ってと思っていた」

結婚してことしで37年。今は毎日、夫が使っていた部屋で過ごしています。

(女性 64歳)
「主人の代わりに、クマのぬいぐるみを置いている」

今月末で一周忌。真相究明を求めていく気持ちを固めています。

(女性 64歳)
「本当は一周忌終えたら、私も死にたいなと思っていましたが、裁判があると言うことでちょっと道筋ができたので、それを見届けるまでは頑張ろうかなと」
「主人は裁判を喜ばないかもしれないですが、浄土で会ったときに『こうだったよ』と報告したい」

2024年5月9日放送 CBCテレビ「チャント!」より

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