今回の「もんすけ調査隊」は、5月31日で51年の歴史に幕を閉じた札幌駅前の“顔”とも言える、名物ホテルの七不思議を探ります。
センチュリーロイヤルホテル 桶川昌幸総支配人
「ただいまをもって、センチュリーロイヤルホテル、全ての営業を終了します」
5月31日午前11時半、札幌駅前の顔、センチュリーロイヤルホテルが閉館しました。
最後の宿泊客には、総支配人から花束が手渡され、思わず涙をぬぐう従業員の姿も…。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「お客さまから感謝の言葉をいただいて…本当に感謝の気持ちしかありません。ありがとうございました」
そこで今回の「もんすけ調査隊」では、ホテルの七不思議を徹底調査！
レストランにある線路とは？幻の大人気メニューとは…！？センチュリーロイヤルホテル、最後の謎に迫ります！
依頼人（「今日ドキッ！」50代スタッフ）
「５月で閉館するセンチュリーロイヤルホテルの“回転レストラン”に謎の線路があったのですが、あれは何でしょうか？」
札幌駅前にあるセンチュリーロイヤルホテルは、地上23階建て、総客室数は300で、札幌の顔とも言えるホテル。
その最大の特徴は、地上約84ｍの高さにある回転レストラン「ロンド」。
３時間かけて一周するレストランでは、札幌の街並みを360度のパノラマで見ながら、ゆっくりと食事が楽しめます。
また陽が落ちると、札幌の夜景も楽しめる、国内でも珍しい回転式レストランでした。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人（2017年取材）
「札幌駅前にあるので列車が通っている様子も見えるし、色んなロケーションをお客さんも楽しんでいる」
そのレストランにある線路とは一体？まさか列車が、料理を運んでくれるとでも…いうのでしょうか？
早速、回転レストランに行ってみると…。
調査員
「ありました！窓の外に線路があります」
なんと、窓の外には、確かに線路のようなものが…。一体、何の目的で設置されているのでしょうか。
そもそもセンチュリーロイヤルホテルが開業したのは、1973年のこと。札幌オリンピックが開催された翌年で、町中が熱気に溢れる時代でした。
当時、札幌駅前には、ほとんど高いビルがなかったので、ひと際注目されるホテルだったのです。
それにしても、謎の線路…もしかすると、札幌オリンピックに何か関係するものなのでしょうか？
客
「え？線路？」「記憶の中にはない…」
そここで、蝦名支配人に直接、疑問をぶつけることに…。
ただ、ホテル内を見るのも、これで最後。せっかくなので、館内を案内してもらい、センチュリーロイヤルホテルの“七不思議”を調査することに…。
まず調査員が気になったのが…。
調査員
「なんでロビーが２階にあるんですか？」
実は、センチュリーロイヤルホテルは１階から入ると、まず階段を上り、さらに奥に進んだ場所にロビーがあります。
これには、どんな目的があったのでしょうか？
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「当時は２階からロビーに入れるようになっていた。当時の写真を見ると、橋があり、このホテルに入る高さが、２階ほどの高さになっていて、ちょうど玄関部分になっていた」
さらに意外なモノについて、蛯名支配人が…。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「こちらに化石がありまして、べレムナイトとアンモナイトです」
本物の大理石を使用しているため、様々な化石が埋まっており、小学生が見学に来ることもあるんだとか…。
続いて、調査員が気になったのが“エグゼクティブフロア”の特別室です。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「こちらがエグゼクティブフロアにある特別室です。札幌市内のホテルでは、コンセプトを設定して、特別フロアにした先駆けだった。
こちらのお部屋は、風呂場の窓をオープンにすることができて、外の景色を眺めながらバスタイムを楽しめる」
そして、いよいよ回転レストラン「ロンド」へ…。
実は、このレストランには、幻の大人気メニューがあるということで、金子総料理長に話を聞きました。
センチュリーロイヤルホテル 金子厚総料理長
「オープン時からある、スパゲッティセンチュリーというのが、ずっと多くの固定の客がいて『美味しい美味しい』と食べてくれた逸品があった」
その“スパゲッティセンチュリー”…略して“スパセン”です。
センチュリーロイヤルホテル 金子厚総料理長
「昭和時代からのＢ級スパゲッティという感じですが、オープンと同時に、ほとんどのオーダーが“スパセン”だったので、オープンする前から、20～30人分を作り、ずっと昼間は出続けていた」
しかし、今となっては、まさに幻のメニューとなってしまった“スパセン”。
そこで、金子総料理長に家庭でも作れるようにアレンジした“スパセン”の作り方を教えてもらうことに…。
センチュリーロイヤルホテル 金子厚総料理長
「これからセンチュリースパゲティ（スパセン）を作ります」
(1)食材を細切りにし、スパゲティは0.5％の食塩水で、いつもより長めにゆでます。
(2)豚肉を塩コショウで下味をつけて炒めます。
(3)火が通ったら、臭みを取るために、油切りし、タマネギや長ネギなどの具材を、しんなりするまで炒めます。
(4)豚肉と茹でたスパゲティを混ぜ合わせ、調味料で味付けし、チキンブイヨンを混ぜます。
センチュリーロイヤルホテルの金子厚総料理長によれば、チキンブイヨンがなければ、お湯でもパスタの“茹で汁”でも構わないとのことです。
(5)さらにバターを混ぜ、食器に盛り付けたら、生卵を乗せ、刻み海苔をかければ“スパセン”の完成です。
ただ、あくまで家庭用の味つけなので、本格的な“スパセン”を食べてみたい方は、インターネットで販売されているソースを使えば、
本物の味が楽しめます。
さて、51年の歴史に幕を閉じたセンチュリーロイヤルホテルの謎を探る、今回の「もんすけ調査隊」。
次なる謎が、名物の回転レストランにあるというので。いまだから明かすことができる秘密とは…。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「こちらが回転レストランを回転させるスイッチです。こちらで“時間ごとに速度設定”ができる。開業当時は“１時間で１周”していた。ただ、来店客から気分が悪くなるとか、お酒の回りが早くなるとか話があって、現在は“３時間で１周”に落ち着いている」
実は、このレストランを回転させている動力が、30ｃｍほどの小さなモーターなんです。
このモーターが、レストランの下、２か所に設置されていて、レストラン部分を回していたのです。
さらに右回転・左回転のボタンもついていて、通常の営業時には右回転。点検時などには、左回転を使用していたということでした。
そして、いよいよ線路の秘密に迫っていきます。謎の線路は、いったい何のために敷かれているのでしょうか…その答えとは。
何やら巨大な機械が乗っているのですが、これはナニ？
調査員
「レストランの外にある線路はなんでしょうか？」
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「こちらは、ホテルの外壁メンテナンスや窓拭きをするゴンドラを走らせるレールです」
実は、窓拭き用のゴンドラは、ビルの上では、クレーンに吊るされており、レールを走行することで、ビルの壁面に沿って移動できる仕掛けになっているというのです。
センチュリーロイヤルホテル 蝦名訓支配人
「本当に感謝の気持ちしかありません。ありがとうございました」
こうして、5月31日でセンチュリーロイヤルホテルは、51年の歴史に幕を閉じました。
■【調査結果】
・調査結果です。
「レストランから見える線路の様な物は、窓ふきのゴンドラを吊るすクレーンのレールでした！」
さて、気になるのが、センチュリーロイヤルホテルが入っていたビルの今後です。
ビルを所有する住友生命によると「７月以降にビルの解体工事に着手する予定」とのことです。
今後の新ビル建設については「新幹線の工事とは関係なく、さまざまな環境を考えながら決めていきたい」ということで、まだ未定としています。
ＪＲ札幌駅前は、ＪＲの新ビルや、ヨドバシカメラの新しいビルなどが計画されています。10年後の札幌駅前の風景は、間違いなくガラリと変わることになります。「もんすけ調査隊」でした。
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