大阪市西成区の労働者支援施設「あいりん総合センター」の敷地で生活する路上生活者に、大阪府が立ち退きを求めた裁判で、最高裁は路上生活者の上告を退ける決定をしました。これで一審、二審で立ち退きを命じた判決が確定することになります。

30日正午すぎ、「あいりん総合センター」のシャッターの前には確認できるだけで5人の路上生活者が身を寄せていました。

この施設は耐震性の問題を理由に建て替えが決まり5年前(2019年)に閉鎖されました。ところが一部の路上生活者らが敷地内から立ち退くことを拒んだため、大阪府は立ち退きを求め提訴。路上生活者側は「権利の濫用だ」などと主張していました。

1審の大阪地裁は「大阪府と市は居場所の確保や生活支援に努めるなど一定の配慮をしており、権利の濫用にはあたらない」として、立ち退きを命じる判決を言い渡し2審でも判決は変わりませんでした。

路上生活者のうち5人は上告していたものの、最高裁は5月27日付けで上告を退ける決定を出し、立ち退きを命じた判決が確定しました。

路上生活する男性「どうしたらいいか分からん…行く所がないからこういう所におるんや」

路上生活をしている男性は次のように話しました。

(路上生活をしている男性)「どうしたらいいか分からん…どこも行く所がないからこういう所におるんや、わしらも、行くところない人間が集まるところやから」

吉村知事「不法占拠状態の解消を求めていく。認められなければ法的な強制執行の手続きを取る」

大阪府の吉村知事は今後の対応について次のように話しました。

(大阪府・吉村洋文知事)
「まずはやはり不法占拠状態の解消を求めていく。そしてそれが認められないということであれば、法的な強制執行の手続きを取るということになると思います」

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