複数の断層が連動したとされる元日の能登半島地震は、マグニチュード(M)7.3相当の2つの地震がごく短い時間に連続して発生し、強い揺れをもたらしたとみられています。
専門家は、2つの地震の間隔が「数日から数十年、数百年開いていた可能性もある」とし、複数の断層が連なる地域では連動するケースも踏まえた被害想定が必要だと指摘しています。
1月1日に発生したM7.6の能登半島地震では、沖合を東西に横断する複数の海底活断層が連動したと考えられています。
京都大学防災研究所の浅野公之教授らの研究グループは、地震波などを詳しく分析した結果、いずれもM7.3相当の2つの地震が13秒差で連続して起こっていたことが分かりました。
1回目の地震は、午後4時10分9秒に発生し、珠洲市から輪島市に向かってのびる断層が破壊されたと推定されています。13秒後の午後4時10分22秒には、珠洲市から北東沖に向かってのびる断層の破壊が始まり、津波の原因となったとみられています。
破壊開始から20秒後に「4~8メートルのすべり」
1回目の地震では、断層の破壊が始まってからおよそ20秒後に能登半島北部で4メートルから8メートルほどの断層の滑りが生じていて、大規模な隆起につながったと考えられています。
また最初の断層の破壊が終わる前に2回目の破壊が始まったことで、珠洲市周辺などが1分以上にわたって強い揺れに襲われたとみられています。
金沢大学の平松良浩教授は、2つの地震が起こった間隔について「もしかしたら数日間開いていたかもしれないし、数十年、数百年開くこともあったかもしれない」と話しています。
そのうえで、断層などが短い間隔で連動して大地震につながるケースは、南海トラフなどのプレート境界でも想定されていて、平松教授は「将来の地震活動の予測や被害の軽減に役立てることが求められる」としています。
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