28日、市街地でクマが目撃された広島県廿日市市では、警戒が続いています。目撃されたのは、海沿いの人口密集地…。なぜそんな所にクマは現れたのでしょうか?

29日朝、JR廿日市駅の近くでは、警察などがパトロールをして警戒を強めていました。警察によりますと、28日午前5時半ごろ廿日市高校の前を通った新聞配達員から、「クマが高校の塀を乗り越えていった」と連絡がありました。

目撃者「ただひたすらに一直線に走って行った」

その後も、廿日市市ではクマの目撃が相次ぎ、28日の午前8時までにあわせて7件の情報が寄せられました。廿日市高校は28日、臨時休校となりましたが、その後、新たな目撃情報がないことなどから、29日は生徒たちはいつも通り登校しました。

高校生「海が近いここのような場所でも出るのだなと思いました」

送迎中の母親「怖いですよね。まさかここに出ると思っていなかった」

廿日市市は、
▼クマを見つけたら、すぐに静かに立ち去る
▼クマの足跡や糞があったら、その場から離れるなど注意を呼びかけています。

廿日市市によりますと、市街地でのクマの目撃情報は、21年度から数件程度でした。しかし、23年度は29件と、急激に増えていました。

今回のように、市街地の中でも海に近い場所での目撃情報は、ここ数年では初めてだということです。理由について安佐動物公園で聞いてみると、奥山が開発されたことでクマの住んでいた場所が減り、街に近づいてきたのだといいます。

安佐動物公園 畑瀬 淳さん
「元々は車や人を見たことがなかったクマたちが目の前を車が通っても怖くなくなっているとこで生まれ育つ。それが普通になったクマたちの子どもはさらに街に寄っても怖くない。その繰り返しがこの30年でできたのだと思う」

また、このところの異常気象も原因の一つだといいます。

安佐動物公園 畑瀬 淳さん
「本来なら春の続きぐらいの時期だが、気候はもう夏。そうすると、クマが食べるものがない。クマが『何かないかな』と出てくる。クマたちがちゃんと安心して住める場所を作れば出てこないので、本当の住み分けを考えなければいけない時期なのかなと」

廿日市市は、30日以降も目撃情報があった場所を中心にパトロールなどを続けるということです。

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