全国的に、古着店が増加するとともに、古着の輸入量もコロナ禍に入ってから増えています。ここ数年、仙台でも全国で店舗拡大を進める古着店の出店が相次いでいますが、なぜ、古着店が増加傾向にあるのか?そして、東北に進出する意外な理由とは?

古着の魅力を聞いてみた

JR仙台駅前ののアーケードを歩いていると古着の店をよく見かけます。

仙台駅からすぐ近くにある「古着屋JAM(ジャム)仙台店」。

この店は、2022年1月に開店し、アメリカやヨーロッパなど海外から買い付けられたTシャツや、デニムパンツなど古着が常時1万点揃っていて、多くのファッション好きが訪れています。古着の魅力とはどんなところにあるのか。古着を買い求める理由を聞いてみると…。

買い物客:
「他の人と被らないところと、宝さがしみたいで1個1個違うデザイン、サイズもなので、自分に合うものが見つかったら宝物みたいに着ています」
「好きなインフルエンサーが着ていたり、新品を買うよりも安い。アウターも安く買える」
「新品の服と違って、使い古した感が、渋い系を着こなしたい人にはもってこい」

新品にはない味わいや、他の人とは被らない1点ものとしての価値を感じているようです。また、価格のお手ごろさも古着の良さということでした。

増える古着店、その理由とは

ここ数年、仙台では、全国で店舗拡大を進める古着店の出店が相次います。仙台駅西口エリアに出店している古着店の地図を見てみると、2020年以降の出店が目立つ格好となっています。なぜこの時期に増えたのでしょうか。

テナントを専門に扱う不動産会社では、新型コロナの流行が影響したと話します。

テナント専門店旭比野 内海博和企画・管理部長:
「多かったのはサービス系のテナント、美容系などにもだいぶ被害(閉店)がありました」

背景に飲食店などの撤退が

この不動産会社によりますと、古着店の出店増加の背景には、コロナ禍で飲食店やサービス業の撤退が相次いだことがあったということです。

また、飲食店などよりも出店費用を抑えられるため、開店のハードルが低いことも背景にありました。

テナント専門店旭比野 内海博和企画・管理部長:
「飲食店が改装すると、厨房機器を一式揃えるのに、何千万、何百万円がかかる。また、若い人たちのお店作りで、(コンクリート)むき出しのところもかっこよかったりする」

コロナ禍での行動制限で痛手を受けた企業が多かった中、古着店にはむしろ追い風が吹いていたとはなします。

不動産会社によりますと、古着店はコロナ禍でも、全国的にも増加の傾向にあったということです。古着などが国内に輸入された量の推移を表したグラフです。

2021年頃から増加の傾向にあることが読み取れます。全国的に古着店が増加するとともに、古着の輸入量もコロナ禍に入ってから増え、古着の需要も近年高まっています。

仙台に出店する狙いとは

ところで仙台に出店するのはどんな狙いがあるのか。古着店を出店した企業の経営者に聞きました。

JAM TRADING(大阪) 福嶋政憲社長:
「(仙台空港から)大阪に飛行機で行くと、空港まで1時間で到着したり、意外と近かった」

そう答えるのは、2022年と去年、仙台市中心部に2つの古着店を出店した大阪の企業の経営者です。さらに東北ならではの気候もメリットだといいます。

JAM TRADING(大阪) 福嶋政憲社長:
「冬が長いということもあって、冬物が(長い期間)探してもらえる。単価という意味では、夏と冬の商品では倍くらい違うので、冬が長いほど、商品単価があがるものが長い期間売れるのはチャンス」

仙台は、東京や大阪に比べて気温の低い日が多いことが、古着店にとってはチャンスになっていました。

ただ好調が続いていた古着店に、最近になって影を落とす影響が続いています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。