熊本市の遺跡で埋葬された縄文時代の人の骨が発掘されました。日本人のルーツを探る重要な手がかりとなりそうです。

発掘されたのは熊本市南区城南町の阿高・黒橋貝塚(あだか・くろばしかいづか)。1972年に発見された九州最大級の遺跡です。

4月からの熊本市の調査で、深さ約3メートル、3500年から4000年前の縄文時代後期の地層から人の骨が発掘されました。

熊本市文化財課 金田一精文化財保護主幹
「今回、とても良好な(状態の)人骨ということで、縄文時代の人骨としては非常にまれな例になります」

発掘された骨は、頭蓋骨の形や歯の摩耗の程度から壮年の女性(25歳~40歳ぐらい)とみられています。

骨は体を丸め、ひざを曲げた「屈葬(くっそう)」の状態で埋葬されていて、頭部の近くには、墓標のように石が添えられていたことから、当時の人々が死者を悼んでいたことが推測されます。

今回のように縄文時代の人の骨がほぼ完全な状態で発見されるのは、全国的にも極めて珍しいということです。

今回見つかった骨は、山口県の博物館で今後DNAの分析などが進められます。

また、同じ地層から土器や食料の動物の骨など、縄文人の生活文化を知ることができる貴重な資料も大量に発掘されています。

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