敵基地攻撃能力(反撃能力)保有や防衛費倍増を柱とした安保関連3文書に反対する「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」(共同代表・田中優子前法政大総長)が14日、東京都内の専修大でシンポジウムを開いた。日米両政府が進める沖縄・南西諸島の軍事要塞(ようさい)化を取り上げたドキュメンタリー映画「戦雲」の三上智恵監督が講演し、要塞化の流れは「確実に本土にも広がることを忘れないでほしい」と警鐘を鳴らした。

約200人が三上智恵監督の話に聞き入った=14日、東京都千代田区の専修大で

 約200人の聴衆を前に、三上監督は、南西諸島での米軍と自衛隊の行動について「離島で機動力のある部隊を使い、地対空・地対艦ミサイルを放ち、撃ったら逃げる、撃ったらトンネルに入る、という作戦を想定している」と説明。「有人島を使うのは米軍が長期に戦うためのライフラインが必要だから。米国は、日本列島全体を盾に米中対立を避けた限定戦争を行うつもりだ」と指摘した。  パネル討論で、日本女医会の前田佳子会長は「軍拡が進むことでどれだけ守るべき生活が守れなくなるのか」と危機感を示し、フリーライター和田静香さんは「政治に私たちはもっと怒っていい。身近にいる議員たちに、生活からわき出る素朴な怒りをぶつけていい」と訴えた。(望月衣塑子) 

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