価格が上がっているのは、野菜だけではなく、チョコレートも危機的な状況です。

 札幌市手稲区のスーパーです。
 先週、野菜の価格について、お客さんに話を聞くと…。


「高くなっている、徐々に徐々に」
「一時白菜なんて600円なんてときがあったから」

 野菜価格の高止まりに、聞こえてきたのは、嘆き節ばかりです。さらに…。

サタデイズ 秋元力代表
「皆さんが普段食べているチョコレートに直結するガーナ産のカカオ豆だが、(仕入れ値が)2倍になると」

 相次ぐ野菜価格の高騰に、チョコレートの急激な値上げを招く「カカオショック」。食卓への影響をもうひとホリします。

佐々木賢記者
「野菜の価格を見てみますと、ダイコンは1本270円、少し割高な感じです。そして、となりの白菜ですが、半玉で214円、高くはなっていませんが、大きさを見てみると、少し小さい印象です」

キテネ食品館青果担当 田中秀敏さん
「これはやっぱりもう一回りボリューム感のあるやつにもっていければいいが、それがなかなか…」

 白菜の価格は高い時で、半玉で270円。大きさも、さらに一回り小さめでした。
 価格は落ち着いてきていますが、生育不足のため、小さいサイズのものを出さざるを得ない状況です。

キテネ食品館青果担当 田中秀敏さん
「直近1か月間の状況ではもう、最大限の努力かと思う」

 農林水産省の調査によると、3月下旬の白菜の小売り価格は、平年に比べ、およそ2.3倍。
 原因は、2月下旬以降の低温による生育の遅れです。
 同じような影響は、キャベツにも…。

キテネ食品館青果担当 田中秀敏さん
「キャベツも、いま1玉で売っているけど、夏に向けてずっと売っていくけど、それが潤沢に出てきてくれれば、そんな(高くなる)ことはないと思うけど、今はまだちょっと大変だなという感じ」

 そんな中、この時期、比較的安くてオススメなのが「サツマイモ」なんだそうです。

キテネ食品館青果担当 田中秀敏さん
「去年とれたものなんですけど、収量もあるみたいで、今のところ潤沢に出回っている。甘さもあるし、おいしいから、どんどん食べてみてほしい」

 家計を直撃する野菜価格の高騰。いつまで続くのでしょうか。

キテネ食品館青果担当 田中秀敏さん
「5月ぐらいからずっと北海道のハウスものも潤沢に出てきてくれれば、3月に経験したような価格にはならないと思う。そこそこの値段でいけるんじゃないかという情報もあるので、それに期待して頑張りたい」

 4月後半から5月にかけて、価格は平年並みに戻る見通しです。
 一方で、価格高騰が長期化しそうなのが、「チョコレート」です。

佐々木賢記者
「こちらには色とりどりのお菓子が並んでいますが、チョコレートを使った一部の商品で、内容量が変わったり、値上がりするものがあります」

 今年に入り、大手菓子メーカーは、商品の値上げを相次いで発表。
 明治の「きのこの山とたけのこの里」は6月以降、価格は据え置いたまま、12袋から8袋に内容量が減り、実質的な値上げとなります。

 こちらのお店でも、チョコレート関連の商品は、10~15%ほど値上げに踏み切りました。
 値上げの要因のひとつが、原材料の「カカオの高騰」です。

堀内大輝キャスター
「そのカカオの高騰を受けて、苦しんでいるのが、チョコレートの専門店です」

 開業から今年で10年目を迎える、札幌のチョコレート専門店です。
 この店の一番のウリは、カカオ豆の焙煎からチョコレートの製造までを一貫して行う、いわゆる「ビーントゥバー」のチョコレート。
 店内には、様々な種類のチョコレートが所狭しと並び、そのチョコを使ったアイスドリンクは、創業当時から人気のメニューです。

堀内大輝キャスター
「おいしい。濃厚なチョコレート。それをギュッとドリンクにしたという…」

 商品には欠かすことができない「カカオ」。
 その高騰に、お店を経営する秋元さんは、頭を悩ませています。

掘内大輝キャスター
「これがカカオ豆なんですね」

サタデイズ 秋元力代表
「これはガーナ産のカカオ豆になります」

堀内キャスター
「ガーナ産はよくお店で使う?」

サタデイズ 秋元力代表
「日本が輸入するカカオ豆の6~7割は、ガーナ産・コートジボワール産と聞いている」
「(去年の)天候不順、異常気象が一番の原因と言われていて、(カカオの木が)大きなダメージを受けて、収穫が7割減。かなり少なかったことが主な原因になっている」

 このほか、昨今の円安や、投機目的による売買なども価格を押し上げる要因となっています。さらに…。

サタデイズ 秋元力代表
「皆さんが普段食べられているチョコレートに直結しているガーナ産のカカオ豆だが、(仕入れ値が)2倍になると」

堀内大輝キャスター
「ものすごく大きい数字ですよね、お店にとって」

サタデイズ 秋元力代表
「ここになって急に倍というのは今までなかった」

 それでも、いまの価格は変えず、乗り切りたいと話します。

サタデイズ 秋元力代表
「来年の収穫で価格がどう変わるか見定めてながら、(値上げするか)決めたい」

 チョコレート専門店「サタデイズ」の秋元力代表は…
・過去には10%程度の値上げはあるが、仕入れ価格2倍は初めて
・値上げしないために、単価の安いナッツなどを多く使い、カカオの使用量を減らした商品を開発も検討中などと話しています。

 カカオ豆の1トン当たりの価格は、日本円で、去年4月、約36万円だったのに対し、今年4月は、約153万円まで跳ね上がっています。
 円安やアジア圏での需要が高まったことが要因を考えられています。
 身近なチョコレートが超高級な食べ物になる可能性もあるということです。

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