25日で発生から1年となる中野市で起きた警察官2人を含む4人殺害事件。
事件後の青木政憲被告の動向や、裁判の見通しなどについて県警キャップの小口記者に聞きます。

小口記者:
青木被告はこれまでに、4人を殺害した容疑などで、4回逮捕され、2023年の11月に起訴されています。

起訴されるまでのおよそ3か月間、検察は、青木被告に刑事責任を問えるかを判断するための、精神鑑定を行いました。

その結果、検察側は刑事責任を問えると判断し、起訴しています。

現在、青木被告は拘置所に勾留されていますが、担当弁護士によりますと、弁護士以外の接見は禁止され、事件について話すことはなく、謝罪の言葉も無いということです。

宮入キャスター:
今後の裁判ではどんな所が争点になってくるのでしょうか。

小口記者:
裁判での争点は「責任能力」の有無です。

検察側は「強い殺意」や「人命軽視」を強調するなどして、極刑=死刑も視野に刑を求めるとみられます。

一方、弁護側は精神疾患により、「完全に妄想に支配されたやむを得ない犯行」などとして、「責任能力」は無いとし、無罪を主張するものとみられます。

この「責任能力」を判断する上で「7つの着眼点」がポイントとなります。

「7つの着眼点」とは、1,動機の了解可能性、2,犯行の計画性、3,違法性の認識、4,免責可能性の認識、5,犯行の異質性、6,犯行の一貫性、7,犯行後の自己防御からなるものです。

これまでの捜査で青木被告は、犯行の1か月半前に大型のナイフを購入し、当日、2人の女性を待ち伏せするなどの「計画性」があったとされています。

また、警察が駆けつける前に猟銃を持ち出し、女性の遺体を隠す「自己防御」の行動もみられていて、「着眼点」に該当する部分もあります。

検察側が「責任能力」をどのように立証するのかもポイントになります。

青木被告は今後、国民が審理に加わる裁判員裁判で裁かれることになります。

裁判員裁判では争点や証拠などを事前に整理し、裁判を適正迅速に行うための公判前整理手続きが行われます。

通常、半年から1年ほどかかるといいますが、この間、弁護側が再び精神鑑定を求める方針で、裁判がいつ始まるか見通しは立っていません。

4人を殺害するという凄惨な犯行はなぜ起きたのか。

法廷の場で青木被告自身が何を語るのかその時が待たれます。

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