日本野菜ソムリエ協会が主催したミニトマトのコンテストで、佐久市の農家が栽培するトマトが全国NO.1に輝きました。
いったいどんなトマトなのでしょうか?
5月に行われた第3回全国ミニトマト選手権で最高金賞に輝いたのが、佐久市のSKファームが栽培する「クラシックトマト『ショパン』」です。
全国各地から102品がエントリーされ、50人の野菜ソムリエが味を審査。
「甘みや酸味の余韻を感じる濃厚な味わい」と高く評価されました。
生産者 川越信治(かわごえしんじ)さん:
「これぐらいのサイズになってくると(糖度は)16度とか、マンゴーとか(と同じ甘さ)」
生産者の川越信治さん。
糖度が高く、果肉が軟らかいフルティカという品種を、年間6トンを目標に栽培し、関東近郊のスーパーや、ネットを中心に販売しています。
栽培方法には独特な手法を取り入れています。
生産者 川越信治さん:
「これはショパンですね」
そのひとつが、商品名にもあるように、トマトにクラシック音楽を聞かせて育てることです。
川越信治さん:
「私が好きというところがあります。もともと音楽を勉強していた」
川越さんは、幼少時代にピアノを始め、作曲家を目指してアメリカの音楽大学に留学しました。
結婚し家庭をもったことや、周囲の才能を目の当たりにし、その道は諦めました。
帰国後に仕事を探す中で出会ったのが、高い糖度が特徴のフルーツトマトです。
「そのトマトを食べた時、衝撃的で感動したんですよね。あっ、これをやりたい」
衝撃を受けたというそのフルーツトマトを生産している企業に30代前半で入社し、5年ほどでノウハウを習得。
さらに美味しいトマトの栽培方法を追求するため仕事をやめ、自ら研究施設を建て、2年間試行錯誤を重ねました。
その結果たどり着いたのが、水分をぎりぎりまでしぼり、トマトにストレスを与えることで甘みを引き出す手法でした。
川越信治さん:
「危機を感じると種の保存といいますか、赤くなって甘くなれば、例えば鳥に食べてもらって種を運んでもらってみたいな」
1回に与える水はスプーン数杯分だけ。
川越信治さん:
「一回にあげる水の量も変えますし、いつ与えるのか、今あげるのか、もしくは15分後なのか見極めて水をあげています」
トマトが枯れてしまうような、ダメージを受ける寸前まで水をしぼっています。
水やりをするタイミングをはかるために、葉や花など状態のチェックは欠かせません。
川越信治さん:
「事務所でスタッフとしゃべりながら作業しているようなときでも、光が急にカッと来ることがあったりするんですよね。そうすると外にすぐに飛び出して状態見に来るであったりとか、常に緊張している状態ですね」
手間暇がかかる栽培方法に挑んだわけは、娘から言われた、ある一言にありました。
川越信治さん:
「娘たちに自分が作ったトマト食べてもらったときに、あぁ少し美味しいって、気を使って言ってくれて、あぁせっかく自分がプライドをもって作ったトマトだけど、食べられない方いらっしゃるな。ですのでもっとたくさんの方に感動できる味を知っていただきたい」
目標は世界へ販売網を広げていくこと。川越さんのさらなる挑戦が続きます。
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