「睡眠の質改善」や「ストレス緩和」などとパッケージに書かれている乳酸菌飲料の売り上げが伸びています。種類が増えたと感じている人も多いのではないでしょうか。正しい飲み方や素朴な疑問など、専門家に聞きました。

■「機能が表示されている商品が多い」 店頭販売の開始が影響か

山内あゆキャスター:
2017年から2023年の乳酸菌飲料の販売金額の推移だと、乳酸菌飲料はしばらく横ばいでしたが、2021年ごろから上がりはじめ、2023年には1341億円になっています。
※インテージ調べ

2017年時点で乳酸菌飲料の倍以上だったのが、ヨーグルトドリンクで、いわゆる飲むヨーグルトでした。その後、横ばいで高い推移をしていましたが、2020年ごろから減りはじめ、2023年は1443億円となっています。

その差は100億円くらいまで迫られているということです。

皆さんは乳酸菌を意識していますか。

井上貴博キャスター:
「腸は第2の脳」と言われ、「腸内環境」もよく聞きます。

田中ウルヴェ京さん:
選手たちは、腸=メンタルくらいな感じで、研究も盛んになっています。実践的に自分たちで感じることなので、乳酸菌は大事だと本当に思っています。

自分も腸内環境の検査をやってもらいました。

ホラン千秋キャスター:
いろんな種類がありますよね。飲料で飲むのがいいのか、サプリで摂るのがいいのか、何がその人にいいのかがわからないくらい、いろんな種類があります。

山内キャスター:
腸内環境を良くしようというムーブメントの中で、乳酸菌飲料も伸びてきたということです。

腸内細菌に詳しい専門家は…

一般社団法人バイオトラスト 加賀夏子 代表理事
「コロナ禍で健康への関心が高まった。乳酸菌飲料は機能が表示されている商品が多く、人気になったのでは」

一つのきっかけになったのは、2019年発売の「ヤクルト1000」です。

それまでヤクルトは、契約か、レディーから買い求めることしかできませんでした。この「ヤクルト1000」が「Y1000」として店頭販売が開始されたことが、やはり伸びの大きい影響になったのではないかということでした。

■「睡眠の質 改善」「ストレス緩和」が人気の背景に

主な乳酸菌飲料には、ヤクルトやピルクルなどがあります。

全国発酵乳乳酸菌飲料協会によると、売上が伸びているのは、▼乳酸菌数が1mlあたり1000万以上の「乳製品乳酸菌飲料」だそうです。

乳酸菌飲料が人気になった理由の一つは、機能がわかりやすくなったことだといいます。

2015年から機能性表示食品制度が始まりました。

例えば「睡眠の質 改善」、「ストレス緩和」という具体的な機能性の表示が可能になりました。

一般社団法人バイオトラストの加賀 代表理事によると、「睡眠に悩んでいる人やストレスを感じていた人が買いやすくなり、徐々に売上を伸ばした」とのことです。

井上キャスター:
腸内環境を改善することだけで言うと、飲むヨーグルトでも変わらないのかと思っていたんですが、違うものなんですか。

山内キャスター:
まさに、飲むヨーグルトにも、「乳製品乳酸菌飲料」と同じく、乳酸菌数が1000万以上(1mlあたり)というものはあるので、飲むヨーグルトの中でも、機能を表示したものの売上は、おそらく伸びてるんです。

先ほどの、2017年から2023年の乳酸菌飲料の販売金額の推移でも、2022年から2023年のヨーグルトドリンクが微増しています。
※インテージ調べ

井上キャスター:
ヨーグルトドリンクの方が容量が多いので、“飲んだ感”があるんです。乳酸菌飲料は量が少ないので「これでこの値段か」と思います。

ホランキャスター:
そうすると、たくさん飲んでしまうので、それはそれでカロリーが高いじゃないですか。

井上キャスター:
それなら、カロリーオフの飲むヨーグルトがいいですよね。

山内キャスター:
ヨーグルトドリンクが好きな人は、コクや満足感を求めると思います。機能を求めるのは、小さくて何となく実感できるというところで、二極化されるのかもしれないです。

■「自分に合ったものを摂取しないと、実感は得られない」

山内キャスター:
乳酸菌の取り入れ方の例で、「今日はぐっすり寝たい。『睡眠改善』ドリンクを飲もう」というのは、正しいのでしょうか。

取り入れ方について、一般社団法人バイオトラストの加賀 代表理事は「摂取してすぐに実感できるものではなく、3週間ほど続けて、体調の変化を実感できる場合も。乳酸菌は400種類ほどある。自分に合ったものを摂取しないと、実感は得られない」とのことでした。

田中ウルヴェ京さん:
自分で検査すると、自分に合った乳酸菌がわかります。

医師に聞くとわかります。「〇〇なら飲むと効果があるけど、△△は飲んでも効果ない」などがわかるんです。

井上キャスター:
血液の検査ですか?

田中ウルヴェ京さん:
私はそうでした。

ホランキャスター:
簡易検査キットもありますよね。

井上キャスター:
すごく興味深いです。

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<プロフィール>

田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士) 五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
アスリートの学び場「iMiA(イミア)」主宰

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