大分県由布市を拠点に活動する男女2人組の絵本作家、ザ・キャビンカンパニーが日本絵本賞の大賞に初めて輝きました。

独特の世界観で人気を集める絵本作家、ザ・キャビンカンパニー。由布市挾間町の廃校をアトリエに、阿部健太朗さん(35)と吉岡紗希さん(35)が、夫婦で絵本を制作しています。

これまでに40冊の絵本を手がけてきた中、去年出版した「ゆうやけにとけていく」が、第29回日本絵本賞で、最終候補30作品の中、満場一致でグランプリとなる大賞に選ばれました。

(吉岡紗希さん)「今回、大賞というのをきいてうれしかった」

(阿部健太朗さん)「今までの絵本と少しテイストが違うと自分たちでは思っていて、どう受け取られるのかは気になっていたので、認められたのはとてもうれしい」

夕焼けをテーマに作られたこの絵本は、2020年の着想から3年の年月をかけて完成しました。物語ではなく詩のイメージで描き、読者が夕日がもたらす様々な感情について想像できる作品だといいます。

(吉岡紗希さん)「ただ楽しいだけの絵本じゃない。いろいろな感情が多分考えられる。悲しみの淵にいる人や、ちょっと休みたい人とかに届くと一番いいなと思っています」

コンテストを主催した全国学校図書館協議会は夕日を見ている人の人生や、思いが豊かな表現で描かれている点などを高く評価。2人は今後、全国の美術館で絵本や作品の原画などの展覧会を開くなど活躍の場を広げていきます。

(吉岡紗希さん)「いつも思っていることは、過去にない新しいものを作っていきたい」

(阿部健太朗さん)「僕らが住んでいる大分の『今』を描こうとしている。この『地に足が着いた感覚』っていうのは大事にしていきたい」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。