今月4日に発生し12日に鎮火した山形県南陽市秋葉山の大規模な山火事は、きょうから消防などの実況見分がはじまり、現地で被害状況などの調査が始まっています。
今回、消火活動の指揮をとった南陽消防署の杉原署長に当日の状況について聞きました。
県内で過去10年に起きた林野火災で最大の規模となった今回の山火事。
その消火活動の指揮をとった南陽消防署の杉原署長です。
火災発生時から山火事への対応の難しさに直面しました。
南陽消防署 杉原利彦 署長「もしかすると危険な場所かもしれない。山の形状・性質を知らないと、むやみに何百人という人を導入できない」
地上のみの消火活動に限界を感じたのは早い段階だったといいます。南陽市は発生の初日に、自衛隊に災害派遣要請を行いました。
しかし、自衛隊出動後も困難は続きました。
ヘリコプターから大量の水を投下しますが、木の中が燃えているためその水が火に到達しなかったのです。
南陽消防署 杉原利彦 署長「自衛隊の5トンの水を何回も落としたんです。それでも消えない。結局は地上隊が行って、木をチェンソーで切って切って、中を沈没させた。最終的に人の力でしかなかった。それを一本一本やっていく。恐ろしいなと。あれだけの木の数ですし」
見えない炎に、木が密集している状態の山の中。人が立ち入ることも難しい場所が多いことなどから、消火活動は難航。延焼の危険が無い鎮圧状態になっても、完全に火が消える鎮火に至るには時間がかかりました。
南陽消防署 杉原利彦 署長「(鎮圧後は)煙が上がったところの消火でしかなかった。なかなか次のステップに向けての手段・方法が思いつかなかった」
今回の林野火災では、消防署員、消防団員、自衛隊など9日間でのべ1600人が消火活動にあたりました。
「平日にも関わらず、団員の方が1日をかけてローラー作戦をした。自衛隊の消火活動もリクエストに応えてくれたし、県・航空隊の方もそれぞれの立場で人とのかかわりが持てた。見えないところで支援をいただいている。すべての方に感謝したい」
今後の課題については。
「一番の課題は、消火の手段だと思います。ひとつは上空からの空中消火は、どこまで有効で、どこでよしとするかのを見極める。地上に消火を移した際に、人をどうやってそこに送り込むか。私自身山を知らないので、活動の安全性が保てない状況。今後の課題」
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