新年度最初の長い休みから明けたこの時期は、精神的ストレスから不登校になりやすい時期といわれています。

中学生の頃に不登校を経験した女性は「逃げ場をつくる」ことで、心を保てると話します。

「いじめ・家庭環境など分かりやすい原因があったわけじゃない」不登校経験者が語った当時の心境

弘前市の大学生、阿部万結子さん。中学の3年間は学校に行けず、不登校を経験しました。

阿部万結子さん
「いじめられたとか、家庭環境が、など分かりやすい原因があったわけじゃないので。ただただ罪悪感とか、自分で自分を追い詰め続けて苦しんでいた。学校という決められたレールから外れたら、生きてはいけないとか存在する意味がないと捉えてしまっている自分がいました」

不登校が長引くほど不安が大きくなったといいますが、通信制の高校に進学した際に自分の価値観に変化が生まれたといいます。

阿部万結子さん
「いろんな価値観や考え方を持った人に出会って話して、世界が思ったより狭くないことを知ったというか。学校という枠組みが人生の中で1番重要なわけではないというのに気づけたのが大きかった」

右肩上がりで増加の「不登校者数」 2022年度は過去最多・約30万人

文部科学省のまとめによりますと、小中学校の不登校者の数は2012年度から右肩上がりで増加していて、2022年度は約30万人と過去最多となりました。

弘前市で、子どもの居場所作りに取り組んでいる山本昇さんは、この時期は新学期を過ごしたあとに、長い休みを過ごした反動で不登校になりやすいと指摘しています。

わくわくスペースみらいと 山本 昇代表
「大人も五月病があって、仕事に行くのが少し面倒だなと思うのと同じように、新しい環境に馴染むのに、みんなよりも頑張っている部分があって、長期的な休みがあると頑張ってきた反動があって学校に行くのが、ちょっと辛いなという傾向がでるのはあると思います」

「適度に人は逃げた方が―」不登校を経験したからこそ伝えたい言葉

山本さんが運営する施設では30人の子どもたちが放課後に、学校の勉強やプログラミング学習などを通して、コミュニケーションの場を作っています。こうした環境が、子どもたちを助けることにつながると山本さんは話します。

わくわくスペースみらいと 山本 昇代表
「必ずしも学校に行って勉強するだけではなくて、将来自立して生活できるというのが大事だと思うので、そういう意味においては、やはり人とのコミュニケーションは必要になってくる。そこを我々の施設やこういうフリースペースで、少しでも助けになれば」

そして、阿部さんも現在は不登校を支援する学生団体の代表を務めています。不登校を経験したからこそ、伝えたい言葉があるといいます。

阿部万結子さん
「逃げるってあまり響き的に良くないような言葉として捉えられがちだなと思いますが、適度に人は逃げていった方が、人生うまく生きれるのかなと思いますね」

いま、悩みや不安など、どうしても家族や友達に打ち明けられない場合は、子どもSOSダイヤルも24時間相談を受け付けています。

▼全国統一教育相談ダイヤル
0120-0-78310

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。