日本三天神の一つに数えられることもある神奈川県鎌倉市の荏柄(えがら)天神社と、源頼朝ゆかりの白旗神社が、全国の神社を束ねる包括宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区)から離脱する方針を固めた。いずれの宮司も、先に離脱の意向が明らかになった鶴岡八幡宮(鎌倉市)の吉田茂穂宮司が兼務している。

神社本庁を離脱する方針が明らかになった白旗神社(左)と荏柄天神社

◆田中恒清総長に強い不信感か

 両神社は鶴岡八幡宮と同じ3月初め、宗教法人法に基づき、神社本庁から離脱する趣旨の公告を境内に掲示した。理由は明らかになっていないが、神社本庁事務方トップの総長を5期務める田中恒清総長と執行部に対し、吉田宮司が強い不信感を抱いていることが背景にあると、関係者は指摘する。  鶴岡八幡宮の担当者は本紙の取材に「二つの神社も宮司が兼務しているので足並みをそろえた」と話した。

荏柄天神社の境内に掲示されている神社本庁からの脱退方針を知らせる公告

 通常の手続きでは、公告から2カ月を経過した後、規則変更を県に届け出る。書類審査を経た上で認証され、正式に離脱が決まる。  神社本庁は全国約8万社の神社を傘下にもつ国内最大の神道系包括宗教法人。ここ数年、方針の違いなどから、「こんぴらさん」の愛称で知られる金刀比羅宮(香川県)など有名神社の離脱が続いている。(阿部博行、砂上麻子) 

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