「ない・・・」

確かに、置いたはずのカメラがなかった。男は、この時に観念した。

きのう午後11時47分、山形県山形市の温泉施設にカメラを設置し、撮影しようとしたとして、福島県南相馬市の男(31)が逮捕された。

容疑は、いわゆる「性的姿態等撮影未遂」。簡単に言えば「盗撮」だ。

しかし、未遂に終わった。

今回この盗撮に使われたカメラが、なんともすごかった。

山形県警から写真を入手した。

これが、そのカメラである。といっても、記者も一瞬目を疑った。

・・・これを見てカメラと認識するのに少し時間がかかる。なんと岩に似せてあるのだ。

少しアップで見てみる。

ごつごつとした岩のような塊の、端の方に丸いレンズが。

ここまで近づくと、ようやくカメラであることが分かる。

黒い塊はモバイルバッテリー。電源供給まで抜かりなしとは。

では、このカメラを設置した容疑者の男は、なぜ逮捕されたのか。

きっかけは、設置したはずのカメラがなくなっていたことだった。

男は5月6日の午前6時ごろから正午ごろの間、山形市内の温泉施設で撮影行為をしようとしたとされる。

目的は盗撮。警察によると「入浴中の女性をひそかに小型カメラで撮影しようとした」のだという。

5月6日、温泉施設の利用者がカメラが設置されていることに気づく。そして警察に通報した。

どのような場所に設置されていたか、またどのような状況で客が気づいたのかなど、詳しい様子は明かされていない。

が、とにもかくにも、男がカメラを回収しようとしたところ、そのカメラはすでに発見され、その場からなくなっていた。

男が相当焦ったことは想像に難くない。

通報を受けた警察が捜査を開始。カメラの映像から容疑者の特定に至ったということだが、容疑者本人が映り込んでいたのか?との記者の問いに、警察は「捜査中」としている。

捜査は続いていたが、男は観念していた。

10日の午後に自ら警察に出頭、逮捕となった。

しかし設置されていたカメラを見ると、非常に手の込んだ作りとなっている。

このような状況から、警察は、犯行の動機や余罪の有無もふくめて捜査を続けている。

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