水原一平被告が応じたという『司法取引』とはどういうものなのでしょうか。国際弁護士に話を聞きました。

 アメリカの連邦検察は5月9日、ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告が、違法賭博による借金返済のために大谷選手の口座から無断で1700万ドル(日本円で約26億円)を不正送金した銀行詐欺の罪に加え、新たに2022年分の確定申告で約6億円の所得を申告せず虚偽の納税申告をした2つの罪で起訴したことを明らかにしました。

 水原被告は検察側との司法取引に応じ罪を認めることで合意したということです。銀行詐欺は最高で禁錮30年、虚偽の納税申告は最高で禁錮3年が科せられますが、司法取引により減刑される見通しです。

 カリフォルニア州の弁護士資格を持つ国際弁護士・村尾卓哉さんに話を聞きました。

 (Qこの場合の司法取引とは?)
 「有罪であることを認めて陪審制の陪審裁判を受ける権利を放棄することによって、事案を早めに解決することで罪を軽くする。量刑を軽くしてくださいねという取引です」

 検察側には、司法取引を行うことで裁判にかかる費用や時間が大きく抑えられ、捜査をスムーズに進める狙いもあるといいます。

 (Q捜査当局の狙いは?)
 「元々やっぱり本丸はボウヤー氏、もしくはその周りにいる違法賭博をしている反社会的な組織の壊滅だと思うんですよね」

 4月30日、アメリカメディアは関係者の話として、胴元であるボウヤー氏が水原被告から不正送金された金をカジノで現金化していたと報じました。ボウヤー氏はラスベガスのカジノ「リゾートワールド」の常連で、高額を賭ける客「クジラ」として知られていて、月に2~3回訪れ、毎回25万ドル~100万ドル(日本円で約4000万円~1億5800万円)を持ち込んでいたということです。この胴元のもとで賭けていた顧客は600人を超えていて、水原容疑者はそのうちの1人だったとされています。

 水原被告は現在保釈されていて、5月14日に再び出廷し、罪状認否が行われる予定です。

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