先月、東広島市の畑で目撃されたのは、アライグマでした。広島県内での農作物の被害も増加傾向で、生息域も広がっている可能性があります。
畑の間の道を歩く2頭のアライグマ…。目撃されたのは、東広島市志和町のレンコン畑が広がる地域です。
坂本可織 記者
「アライグマはこのレンコン畑のすぐ近くのあたりを歩いていたということです」
先月20日の午前6時半ごろ、生産者の 大谷浩志 さんが種まき作業をしようと、畑に到着した時に撮影しました。
レンコン生産者 大谷浩志 さん
「しっぽがしましまだったので、これはアライグマだと。やっぱりここにもいるのだと」
まだ畑に被害は確認されていないものの、電気柵の購入や設置には高額なお金がかかることなど、今後の被害や対策に不安を感じるといいます。
レンコン生産者 大谷浩志 さん
「2頭いるということは自然繁殖もしているだろうし、ただでさえシカやイノシシで困っているのに、害獣が増えるのは今も猟師さんも減っているので駆除が追いつかないので困る」
県によりますと、県内のアライグマによる農作物の被害額はおととしが133万円余りで、被害報告が残っている年度から増加傾向だということです。
目撃された理由について安佐動物公園は、アライグマの分布が県内でも広がってきていることを指摘します。
安佐動物公園 野々上範之 獣医師
「アライグマは本当になんでも食べるので農作物を食べに来たのかもしれないし、ここはちょうど田んぼを掘り起こしていいるのでカエルが出てくる、よく食べるエサになる」
北アメリカに生息していたアライグマですが、ペットとして国内に持ち込まれ捨てられるなどして野生化しました。
安佐動物公園 野々上範之 獣医師
「郊外の人が住んでいないような家の天井裏や壁と壁の隙間を利用して繁殖する。これだけ広がっていくのは環境に適応する力が強い」
農作物や生態系に被害をもたらすほか感染症を運び、まん延させる可能性もあるとして『特定外来生物』に指定され駆除の対象になっています。県は、目撃した場合は速やかに自治体に連絡をするよう呼びかけています。
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