北海道・三陸沖後発地震注意情報は、北海道の根室沖から岩手県の三陸沖の想定震源域とその周辺で、マグニチュード7以上の地震が発生した時、そのあと起きるかもしれない巨大地震に注意を呼びかける情報です。運用が始まって16日で丸2年、その現状と課題を取材しました。

「後発地震」起きる確率は100回に1回程度

11月、宮城県利府町で、防災を学ぶ高校生がワークショップを開きました。テーマは北海道・三陸沖後発地震注意情報です。

多賀城高校の生徒:
「赤い球が出たら、M8以上の『後発地震』が起きることにしましょう」

注意情報が出た後、「後発地震」が起こる確率は、100回に1回程度とされています。100個のボールを使ってその確率を体感しました。

そもそも「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは

13年前の2011年3月9日には、M7.3の「先発地震」が発生。その2日後、「後発地震」となるM9.0の東日本大震災が発生しました。この地震を教訓とするものが、北海道・三陸沖後発地震注意情報です。

では、具体的にはどのような情報なのでしょうか。

■発表条件
北海道の根室沖から岩手県の三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域やその周辺で、マグニチュード7クラス以上の地震が起きた際に発表されます。

■対象地域
対象は、北海道から千葉県にかけての182市町村で宮城県は35全ての市町村です。

■期間
注意を呼びかける期間は、発表から1週間です。

つまり、「千島海溝」と「日本海溝」を震源とするマグニチュード7クラスの地震が発生した際に、さらに巨大な「後発地震」への注意を呼びかけるものです。

「巨大地震が切迫している状況だ」

今度は、想定震源域のエリアでも東日本大震災と同じクラスの地震(後発地震)があるかもしれない、と国は想定しています。

仙台管区気象台は、計算の上では、巨大地震が差し迫っているといいます。

仙台管区気象台 加藤孝志台長:
「(想定震源域では)東日本大震災のような巨大地震が、約300年から400年間隔で起こっている。その地震がまた、最後に発生したのが17世紀ということが研究でも分かっておりまして、この巨大地震が切迫している状況にある」

一方で、この情報は、ただちに避難を呼びかけるものではありません。

仙台管区気象台 加藤孝志台長:
「100回に1回程度しかその(巨大)地震は起こらないということがあります。発表から1週間程度は、普段の生活を継続した上で、平時よりは巨大地震の発生に注意して、万が一発生した時に備えていただきたい」

「後発地震注意情報」知っていますか?

この注意情報の運用が始まったのは、ちょうど2年前。国は、リーフレットやマンガを作り普及・啓発活動を進めました。しかし、仙台市内で街の声をきいてみると…。

高校生:
「まったく分からないですね。その(運用開始は)2年前ですよね」
高齢者:
「知らない人が多いと思いますね」

聞けば聞くほど、帰ってくるのは、「知らない」の声。

大学生:
「いざ(発表を)知っても、何をすれば分からなくなっちゃう気がします」

「知らない」と答えた人は50人中43人と、8割を超えました。

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