今年1年大きなニュースであり続けた政治とカネを巡る問題。今月14日、自民党は山梨県の長崎幸太郎知事の不記載問題で知事を処分しないことを決めました。
説明責任を果たすことに務めてきたことが主な理由ですが、知事がこの問題をいつどのように説明してきたのか改めて見ていきます。
山梨県 長崎幸太郎知事(1月20日):
「誠に申し訳ありませんでした」
今年1月、所属する自民党二階派から現金1182万円を受け取りながら失念し、資金管理団体の収支報告書に記載しないまま、およそ5年間金庫に保管していたことを明らかにした長崎知事。
長崎知事 (1月20日):
「(二階派から)明確に『寄付』として交付を受けたものではないことから、処理方針が示されるまでの『預かり金』的なものとして認識し、『分別管理』を行っていたものです」
1月の会見後も疑問への質問が続きますが…
UTY記者(1月22日):
「お金のやり取りは秘書がやられた?」
長崎知事:
「そこらへんはすべて公判前であって、具体的な話というのは一切しない」
裏金事件の裁判や、自らが刑事告発されたことを理由に具体的な回答を避ける場面も続きました。
UTY記者(2月14日):
「二階派の『簿外の金』を預かっていたことになるのでは?」
長崎知事:
「それは二階派に聞いてください」
UTY記者(3月4日):
「知事の方から捜査機関とのやりとりはしていないという認識でよろしいでしょうか?」
長崎知事:
「そういう点についてはお応えを差し控えたい」
8月、東京地検が長崎知事の刑事告発を嫌疑不十分で不起訴としました。
これを受けて行った会見で長崎知事は紙袋に入った現金1182万円を自らが受け取り、ほかの現金と一緒に金庫に入れていたことを初めて明らかにしました。
長崎知事(8月29日):
「(当時の二階派の)事務局長からの『とりあえず預かってよ』という言葉に対して、『とりあえずお預かりいたします』との返答のもと、受け取った次第であります」
「(1182万円は)袋から取り出されてはいたものの金庫には常に1182万円以上の額の現金残高を維持する形で管理がなされてきたことが確認されています。私の分別管理の指示は、その意味で守られていたと認識しています」
自民党県連は知事の不記載問題の対応を森屋会長に一任し、党本部に党紀委員会での対応などを検討するよう依頼。
長崎知事は県連の常任顧問を辞任し、当面、県連活動を行わないとし、10月の衆院選でも県内で目立った活動を行いませんでした。
自民党山梨県連 森屋宏会長(9月14日):
「(県連常任顧問は)特段何かの担務を持つというよりも執行部の相談役ということで場面で相談をさせていただく」
「(辞任は)一定の決断をされたのだと理解しています」
そして12月14日…
自民党山梨県連 森屋宏会長(12月14日):
「本件に関し、長崎知事が引き続き県民に説明責任を果たす事を期待し、党紀委員会に処分審査要請を行わない事を決定しました」
自民党の判断は「処分せず」。
説明責任を果たことに努めてきたなどとして、党本部の森山幹事長の判断で党紀委員会に処分を求めることをしないと決めたということです。
長崎知事は「可能な限り迅速で積極的な事態究明対応と県民の皆様へのご報告に努めて参りました。今後も、政治家として果たすべき責務は県民目線に立って考え、取り組んで参る所存です」とコメントしています。
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