今度の日曜日に京都で行われる全国高校駅伝、通称「都大路」。高校生ランナーの憧れの舞台です。今回は男子代表として初めて出場する鹿児島工業を紹介します。

全国高校駅伝、初出場の鹿児島工業陸上部。県内の公立高校としては実に56年ぶりです。

(牛原幸英主将)「緊張よりは楽しみな部分が大きい。限られた高校しか行くことが出来ない。京都で思いをぶつけられるように」

リオオリンピック代表の上原美幸選手を育てた立迫俊徳さん。監督就任2年目でチームを都大路に導きました。

(立迫俊徳監督)「都大路に行きたいというのが伝わってきた。それを上手くのせることができた。僕がのっかったのかもしれない」

都大路に出場するために、選手のほとんどは親元を離れ下宿生活を送っています。食事を作るのは前監督でコーチの東村光弘さん、68歳。

(東村光弘さん)「満足に食べてもらうのが私の目標。腹いっぱいになるぐらい」

体育教師だった東村さん。下宿の食事を作るようになったのは64歳になってから。本格的な料理は独身以来でした。

(東村光弘さん)「(Q.昔を思い出しながら?)クラシルとか料理のアプリもある。たまに実家の姉にだしのとり方を聞いたり」

「おいしいです」「カレーにはコーンが入っている」「麻婆豆腐もおいしい」

赴任先の高校で都大路を目指してきた東村さん。鶴翔高校では県高校駅伝2位と、都大路まであと一歩まで迫りました。しかし、私立高校の壁は大きく…

(東村光弘さん)「ちょっとでも私立高校に近づきたい。やっぱり下宿かなと」

練習時間を確保するため、7年前、妻の実家を下宿に。現在は自身も一緒に寝泊まりし、選手の生活面のサポートをしています。今の3年生は東村さんが勧誘してきました。

(3年・東隆成選手)「先生だけど面倒を見てくださって、親みたいな感じ。1年生の時に救急搬送ですごい迷惑をかけた。それでも自分のことを強くしようと」

(3年・橋口晋賀選手)「自分たちのことを大事にしてくれる。3年間のうちに1度でも都大路に連れていきたいという思いがあった」

秋に行われた県高校駅伝。優勝を大きく手繰り寄せたのは、その3年生たち。東隆成選手が4区で逆転しトップにたつと、6区では橋口晋賀選手が区間賞の走りで2位との差を広げます。

初の都大路出場という夢をかなえた東村さんと3年生たち。

(3年・東隆成選手)「東村先生に会ったら泣いてしまった。恩返しが出来た」

(東村光弘さん)「この瞬間が味わいたかった。最高の瞬間でした。いい子どもたちがまわりにいて、都大路出場を実現できたと思う」

憧れの舞台に立つ鹿児島工業。目標は8位入賞です。

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