松本山雅のホームスタジアムとしておなじみ、松本市の「サンプロアルウィン」。
現在、来シーズンに向けて県が改修工事を行っていて、その中で不要になる「あるもの」を希望者に「譲ります」という呼びかけが、にわかに話題になっています。
長野県のホームページ。
ここにこの程、アップされたのが…
「アルウィンの座席ゆずります」というお知らせ。
サッカー場の “座席” を “ゆずる” とは、どういうことなのか!?
現地に行ってみました。
「じゃあまず、スタンドからでよろしいですか?」
県の担当者の案内で、スタジアムの中へ。
芝生の養生のためシートに覆われたピッチを眺めつつ、先に進むと…
松本建設事務所 青木雄佑(あおき・ゆうすけ)さん:
「これがイスの脚の部分で、こっちには付いているんですけど、この座椅子みたいな部分がこの上に載っていた」
バックスタンドの中央部分、一面「座席」がありません!
実は…
松本建設事務所 青木雄佑さん:
「開場から24年くらい使われてきまして、こちらのバックスタンドは屋根もなくて一番劣化も激しいので、部分部分の改修では追いつかなくなってきたので全体の改修を行っていく」
県は12月から、劣化した座席を新しいものに交換する改修工事を開始。
およそ1万6,000席のうち今年度は2,180席が対象です。
そこで不要となったのが。
「こちらが今回取り外した座席になります」
この量を廃棄すれば、数十万円の費用がかかりますが…
「再利用を何か考えられないかっていう…」
改修工事担当の青木さん。
10年来の山雅サポーターでもあり、ひらめきました!
それが「アルウィンの座席ゆずります」。
信州のサッカー好きなら、この座席に思い入れがあるかも!と、希望者に無償で譲ることにしたのです。
青木さん:
「こちらに席番がありまして、こういう形状のものになります。24年間誰かに座られてきた座席です」
2001年の完成から、アルウィンの歴史を見続けてきた座席。
2002年の「日韓ワールドカップ」ではパラグアイ代表の事前合宿が行われ、この観客席から熱い視線と声援が送られました。
2012年からは、松本山雅のホームスタジアムとしてJリーグの公式戦を開催。
毎年、ホーム開幕戦の前にはサポーターがボランティアで座席の掃除を行うなど、大切に使われてきました。
青木さん:
「この中から希望する2席までを選んでいただいて、お持ち帰りいただく予定」
募集開始から1週間、すでに予想を大きく上回る300件以上の申し込みがあったということで、「ながの電子申請サービス」から23日まで受け付け、指定の日に引き渡します。
松本建設事務所 青木雄佑さん:
「自分の身近にアルウィンがあるというのは皆さん喜ばれるのでは。簡単なのは、リンゴ箱の上に置いて畑の隅に置いていただくとかそういう利用ができるかなと」
アルウィンの新たな座席は「はね上げ式」を導入し、2025年3月半ばまでに設置予定です。
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