オープンから4年たった『道の駅 たがみ』が好調。
人口1万人の新潟県田上町に、年間およそ60万人が訪れています。

ここで特産の竹を使った「アート」や「おいしさ」を生み出しているのは、45歳の駅長とその仲間たち…。『令和の“竹の子族”』です。

決して天候に恵まれたとはいえないこの日も、国道403号沿いに立つ『道の駅 たがみ』は賑わいを見せていました。

買い物客のお目当ては…?
「今ですと、乾燥したタケノコ。水で戻して油揚げと煮しめにするとおいしい」
「珍しいのがたくさんあって。春はタケノコや山菜からはじまって…」
「タケノコが一番楽しみかな」

田上特産の「タケノコ」は、旬を過ぎても大人気。

2020年10月のオープン以来、年々来場者は増え続け、2023年度はおよそ60万人!
売り上げも3年で1.5倍に増えました。

人口1万人の小さな町に根付いた『道の駅 たがみ』では一体、何が起きているのでしょうか?

春に旬を迎える特産のタケノコは、新潟県田上町の『お宝』です。

「みなさん大変お待たせいたしました ―」
「時間になりましたので、始めたいと思います!」

10日間限定の「たけのこまつり」に、今春はなんと300人が列を作りました。

こうした竹を生かした取り組みを企画しているのは、『道の駅 たがみ』駅長の馬場大輔さん。“田上生まれ田上育ち”の馬場さんは、公募に名乗りを上げて2020年に初代駅長に就任しました。

「いろいろなウェブ調査をすると、この町は知られていない」
「自分が生まれ育った町が知られていないのは…、悔しい、残念だなと」
「外の人は知らないんだけど、町の人がそこに自信をもって、誇りをもっているものが『竹やタケノコ』だったんですね」

そんな思いを持つ馬場さんは、生産者の1人・山川敏幸さん(35歳)に“先生”をお願いして、『タケノコ掘り』も企画しました。

【生産者 山川敏幸さん】
「切るのって大変でしょう、っていうことをやっぱり農家としては伝えたい」

掘ったタケノコは、朝のうちに道の駅に運ばれました。

しかし早速そこで馬場さんは、買い物客から届いた要望を生産者へ…。

「9時45分…、もっと早くできねぇんかと」
「できねぇんす。もう生産者から言うと、そこは」
「何時から並んでると思ってんだ!っつって(笑)」

こうした本音のやりとりも欠かしません。

新潟県田上町の国道403号沿いに立つ『道の駅 たがみ』の駅長・馬場大輔さんの周りには、常にたくさんの“仲間たち”がいます。

4月のある日『田上町総合公園YOU・遊ランド』に集まったのは、住まいも年代も職業もバラバラの100人が所属するボランティアグループ。その名も“たけのこ団”。

「田上出身の人もいれば、大学で興味を持って参加するようになった人もいます」
「関西出身、大阪です。田上町は夫の実家なんです…」

大自然の下、皆で乾杯!
タケノコを丸ごと焼いたものが、バーベキューのメインディッシュです。

この多才なメンバー達を繋ぐ馬場駅長が5月、また何か新しいことを始めました。

竹を切って、ゆでて…。
実は、メンマづくりに取り組んでいたのです!

「やわらかいですよね」
「もう食感はメンマですか?」
「うん、食感はもうメンマまんまなんで」

タケノコとしては伸びすぎた“幼竹(ようちく)”は、売り物にならないばかりか、放置すると育ちすぎて日光を遮り、他の竹の成長を阻む厄介者にもなってしまいます。

育ちすぎてタケノコとしての価値がもうありませんが、これをメンマに加工して、道の駅でラーメンの具材として販売することにしたのです。

皆で試食 ―。

「おいしいね」

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