全国の“ご当地給食”はどんなものがあるのか?ある小学校を取材すると、昔から祝いの席などで出されてきた“鯛と並ぶ高級魚”が給食に!なぜ給食に?子どもたちの反応は?

あなたの“ご当地給食”は?

「たまにチキン南蛮が出たりした」(宮崎県出身・男性)
「フグの身がゴロゴロ入った、フグ雑炊」(山口県出身・男性)
「さつまいものきんとんをパイ生地で包んだ、きんとんパイ」(茨城県出身・女性)

他にも、石川県輪島市では地元で獲れた「ベニズワイガニ」をひとり一匹ずつ。
福島県相馬市では11月に、地元のトラフグをふんだんに使った「ふぐめし」が給食に!
このような「ご当地給食」が盛んになったのは2000年代からと、給食事情に詳しい記者は話します。

『日本農業新聞』給食百景取材班 佐野太一さん:
「子どもたちに地域のアイデンティティーを給食を通して伝えることで、将来のUターンやJターンにつなげたい。給食は“地域の個性を映す鏡”

湖にはさまれた街の“ご当地給食”

そして、茨城県の東南部にある行方(なめがた)市。
日本第2位の湖・霞ヶ浦、さらに北浦という二つの湖に挟まれ農業と水産業が盛んな街です。

『行方市立麻生小学校』では月に一度のご当地給食の日ということで、THE TIME,マーケティング部の西堀文部員も参加させて頂きました。

西堀部員:
「今日のメニューはお野菜のスープみたいなのと、もやしのナムルみたいなサラダとお魚のフライですかね」

一体何が、ご当地なのかというと…

生徒:
「鯉。鯉の揚げ煮

そう、竜田揚げのような魚のフライが、地元特産の「鯉」を使ったご当地メニュー。

手間をかけて「鯉」を美味しい給食に

給食に出される鯉を育てている水産業者『山源』に行ってみると、生け簀には大きな鯉がたくさん!体長は70センチほどで、重さは1キロ〜1.5キロになるといいます。

『山源』海老澤剛義さん:
「どんなにいい鯉でも泥抜きをやらないと、美味しい甘い身にならない」

養殖の鯉は、湖で大きくした後「締(しめ)いけす」と呼ばれるきれいな地下水を流した生け簀で3日間泥抜きし、水揚げされた後はすぐに加工。

鯉は小骨が複雑に入り組んでいるので、身に細かく包丁を入れる「骨切り」をすることで、骨を気にせず食べられるようにするのです。
そして一度冷凍してから給食センターへ。

なぜ「鯉」を給食に?

鯉の生産量は、茨城県が763トンと全国1位
古来より鯛と並ぶ高級魚で、地元では滋養強壮やお祝いの食材として「鯉の洗い」や「鯉のうま煮」などで親しみをもって食べられてきました。

しかし地元の人に聞いても、食べているのは「おじいちゃんおばあちゃんの世代」(小学校の保護者)とのこと。
調理の難しさなどから、若い世帯の食卓に並ぶことは減っているといいます。

『行方市立麻生学校給食センター』宮田由美所長:
「今の子ども達は家庭ではなかなか鯉を食べられないのかなと。学校給食を通して、地元の食文化や鯉のおいしさを知ってもらえたら」

鯉のご当地給食…子どもたちの反応は?

丁寧に泥抜きされ、小骨も気にならないよう加工された地元の鯉。
サクサクに揚げて、特製の甘辛タレを染み込ませた「鯉の揚げ煮」を食べた子どもたちは…

生徒:
「毎日コレでいい(笑)」

生徒:
「めっちゃおいしい」

生徒:
「天国に落ちる」

中には、おかわりを賭けてじゃんけんをする子も出るほどで、みんな「また鯉が食べたい」と笑顔でかぶりついていました。

安住アナの給食の“メイン”は?

「給食を食べたことがない」と話すのは、THE TIME,12月レギュラーの杉山愛さん。
学生時代はずっとお弁当だったとのことで、ご当地食材が食べられる給食はうらやましく、「地元の食材を知れば、地元愛も大きくなる」と話した。

安住紳一郎アナも「みんなで一緒に鯉を食べたんだよなって、ずっと覚えているだろうし」と口にしたが、自身の子ども時代の給食については「特徴的なメニューは覚えていない」とのこと。

北海道なら美味しい給食が出たのでは?との声も上がったが、「給食の時は、みんなとワイワイトークがメインだったからね」と食事よりもおしゃべりに夢中になっていた少年時代を披露した。

(THE TIME,2024年12月9日放送より)

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