刑務所などを出所した人たちの再出発を支える更生保護施設が甲府市にあります。入所した人の社会復帰へ奮闘する施設の取り組みに密着しました。
職員:「ではいってらっしゃい」
寮生:「早い時には5時とかには出るので」
午前5時50分。まだ日の出前の薄暗い中、仕事に出かけていく男性。
実は過去に罪を犯しています。
男性が生活しているのは山梨県内唯一の更生保護施設「山梨以徳会」です。
刑務所や少年院を出所し、身寄りのない人の社会復帰を支援しています。
11月27日、施設に入った佐藤さん(仮称・50代)。食べ物を盗んだ罪で刑務所に服役し、仮釈放のタイミングで山梨以徳会に入所しました。
窃盗の罪で服役後に入所 佐藤さん(仮称):
「両親は他界して兄弟は4人いるが絶縁。生活保護を受けながらギャンブルとかやっていたから、結局自分の生活もギリギリになって自分の生活に困って、そういうもの(犯罪)に手を出す」
山梨以徳会には30代から60代の13人が入所し、2人の保護司と1人の福祉職員、それに非常勤職員4人でサポートしています。(2024年12月9日現在)
山梨以徳会 保護司 山田保 補導主任:
「理由があって外出はかまわないが、遅くとも夜10時までには寮に帰るようにしてください」
施設には5畳から8畳の部屋が18あり、風呂やトイレ、洗濯機などほとんどのものは共同で使用しています。
山田保 補導主任:
「小さいコミュニティですけれども、ルールはルールとしてしっかり守らなければならないということをここでの生活で学んでくれればいい」
入所期間は最大で6か月。短期間で社会での自立を目指します。
佐藤さん(仮称):
「重機オペとかそれがなければ調理関係。ドクターストップがかかっているので重労働は控えてくださいと(言われている)」
山田保 補導主任:
「力仕事はだめということですね?」
最も大切なのは就労支援です。
施設の担当者は希望する業務などを聞き取って、ハローワークや犯罪歴がある人も受け入れる協力雇用主に相談しながら就職活動を進めます。
山田保 補導主任:
「これは本当にケースバイケースで、決まる人は決まる、決まらない人は決まらない。採用が決まっても、いざとなるとドタキャンでそこにいかない。なかなかその人の真意がつかめないというか、ここに入る人もいろいろな思い、いろいろな過去を抱えて来ていますので、そういうところが難しい」
提示できる求人は平均4件から5件。働きながら資金を蓄えて自立するための道筋をたてるのです。
一方、入所者にはお金があっても盗みに手を染める人もいます。
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