熊本市の大西一史(おおにし かずふみ)市長の資金管理団体が受け取った個人献金について、寄付者の住所に「企業の所在地」が記されていたことが明らかになりました。専門家は政治資金規正法に違反する可能性を指摘しています。
大西市長は資金管理団体として「新世代政経懇話会(しんせだい せいけい こんわかい)」を熊本県選管に届け出ています。政治資金規正法では、資金管理団体は、企業・団体献金を受け取ることができません。
しかし県選管に提出された収支報告書によりますと、受け取った個人献金のうち、2021年以降の少なくとも過去3年間、献金した複数の寄付者の住所に、「企業の所在地」が記載されていました。
個人献金にも関わらず、「企業の所在地」を報告した複数の寄付者はRKKの取材に対し、献金は「個人から」と強調。そのうえで、「『企業の所在地』の方が受け取り側がわかりやすいと思った」「自宅の住所と企業の所在地が同じ」「会社の方が連絡が取りやすいから」などと述べました。
これについて大西市長は、「県選挙管理委員会に確認中」とコメントしています。
「個人献金」の判断基準とは?
(スタジオ解説)企業や団体からは政党の支部などへの献金は認められていますが、政治家などの資金管理団体は原則として個人献金しか認められていません。
キャスター「報告にあたって、個人の住所ではなく、企業の所在地を書いた場合は法律違反になるんですか?」
熊本県選管は「法律には『自宅の住所を書かないといけない』とまでは書いていないが、基本的には個人の住所を書くことが求められている。ただ、最終的には司法の判断」としています。
政治資金規正法に詳しい神戸学院大学の上脇博之(かみわき ひろし)教授によりますと、
(1)個人献金を装った企業・団体献金の可能性があること
(2)個人献金なのに企業の所在地を記載していることなどが、虚偽の記載にあたる可能性がある
と指摘しています。
もし違法だということになれば、寄付した側も寄付を受け取った側も「1年以下の禁固または50万円以下の罰金」に問われるおそれがあります。
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