「改悪」だと批判が飛び交っている「青春18きっぷ」のルール変更。2024年冬季からリニューアルされ、11月26日に販売が開始された。筆者もさっそく購入。12月中旬に所用で福島県に行く予定があり、せっかくならば普通列車でのんびり旅をしてみたいと、久しぶりに「青春18きっぷ」を使うことにした。
筆者が勤める会社の最寄り駅はJR東海の静岡駅。ここから東海道線、常磐線を乗り継いでJR東日本・いわき駅へ行く予定だ。静岡駅〜いわき駅間の普通乗車券は片道6600円なので往復で1万3200円。「青春18きっぷ」3日間用は1万円なので、それほど大きく得をする訳ではない。ただ、都内で寄り道、ちょっと遠回りしても楽しいかな、などとイメージを膨らませている。旅をしながら自由にルートを変えられるのも、乗り放題の「青春18きっぷ」だからこそ。JR東海とJR東日本の会社間をまたげる乗り放題切符であることも大きな利点だ。
「ルール」は、どう変わった?
「青春18きっぷ」は、JR全線の普通・快速列車の普通車自由席などが乗り放題になる切符だ。年齢にかかわらず誰でも利用できることからファンが多い。これまでは、春休み、夏休み、冬休みの期間中に5回(人)まで使うことができた。
筆者が2004年春季に使った「青春18きっぷ」を見ると、1回目のスタンプは「3月21日静岡駅」とある。2回目から5回目のスタンプは全て「4月10日柏駅(千葉県)」。つまり5回分のうち1回分は1人で、残り4回分は4人で同時に利用した。期間中ならば「いつでも」「複数人でも」使うことができたのが、この切符の自由度の高さだった。
今回、2024年冬季のリニューアルでJRグループは、このルールを大きく変更した。「連続する3日間」または「連続する5日間」乗り降りできる切符としたのだ。連続する日程での使用に限られ、1枚を複数人で使うことができなくなり「使い勝手が悪くなった」という声が多く聞かれる。
一方、今回からは「自動改札機を使えるようになった」ことが大きなメリットだ。これまでは、有人改札を通り、日付スタンプを押してもらい入場。乗り降りするたびに有人改札で日付を見せなければならず、混雑時には待つこともしばしばあった。スムーズに乗り降りできるようになり、駅係員の労力も軽減されるのであれば、歓迎したい。
意外と使い勝手が良い?新登場の「3日間用」
「連続する3日間」または「連続する5日間」での利用について、確かに、会社勤めで家族もいる身では、5日間まとまった休暇を取り、1人旅をするなんてことは、現実的ではない。筆者も「5日間用」の青春18きっぷを使う機会は、しばらく無いかも知れない。しかし「3日間用」は意外と使い勝手が良いのではないかと思っている。「5日間用」だって、時間さえあれば、楽しい使い方ができるはずだ。大切にコレクションしていた「過去の」使用済み「青春18きっぷ」を眺めながら、そう思った。
筆者は若い頃、何度も「青春18きっぷ」を利用して、全国へ鉄道旅に出かけた。静岡から東京へ行くのにお得だから、という理由で「青春18きっぷ」を使うことも多かったが、鉄道乗りつぶしの旅で「遠くの知らない街を旅しよう!」という使い方も多かった。では、5回(人)分の「青春18きっぷ」をどのように使っていたのか、振り返ってみたい。
「連続5日間」の旅 夜行列車を使って
筆者が1998年冬季に使った「青春18きっぷ」だ。
【1回目】12月27日「静岡駅」
静岡駅2:39発の夜行快速「ムーンライトながら号」で名古屋駅へ。その後、西日本へ向かっている。
【2回目】12月28日「石見川本駅(島根県)」
今は廃線となったJR西日本・三江線の島根県内の駅だ。
【3回目】12月29日「加古川駅(兵庫県)」
夜は再び、夜行列車で移動。京都駅22:32発の臨時夜行快速「ムーンライト八重垣号」で島根県の宍道駅へ向かっている。
【4日目】12月30日「米子車掌区」
ムーンライト八重垣の車内でスタンプを押してもらったようだ。
【5日目】12月31日「広島駅」
記憶があいまいで不正確な部分はあるが、今はなき「夜行列車」を使って「5日間連続」で旅を楽しんだようだ。「青春18きっぷ」を24時間有効に使える良い時代だった。
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