大分県立由布高校野球部に、部員が一人になっても白球を追い続けている1年生がいます。多くの人に支えられながら野球に打ち込む思いを聞きました。

由布高校は今年の夏の県大会で、メンバー10人の単独校として出場しました。しかし、3年生の引退や2年生の退部により、部員は1年の池田康平選手一人になりました。

池田選手:
「練習はどうすればいいのか、一人で何ができるのか悩みました。高校野球は『高校生活の中の一つの青春だよ』と言われ、続ける決心をしました」

「今は一人なので、すぐボールが回ってきます。技術面で指導される機会が多いので、それはメリットだと思います」

練習では、副担任でもある島崎部長が指導にあたっています。

(島崎弥部長)「一人でもやると決めて入部してきたので、彼が3年間野球を続けることができる環境にしてあげたいと思っています」

池田選手は兄の影響で保育園の頃からバットを握り、野球に夢中になりました。広大な野球部専用グラウンドに響く快音。ヒット性の打球が飛んだ先は無人ではなく、母の美紀さんがボール拾いを手伝っています。

(母・美紀さん)「できる限りのことはしようと思っています。大変ですけど、たくさん外野に飛んでくれればと期待しています」

池田選手:
「母が手伝ってくれるのは本当に感謝しかないです。成長した姿を見せて親孝行したいと思います」

今では、部員数が足りない学校同士で組む連合チームに加わり、月に数回の練習や公式戦に参加しています。さらに平日は週に2回、横浜DeNAの梶原昂希や阪神で活躍した安藤優也(現球団コーチ)を輩出した大分雄城台高校の練習に合流。緊張感のある中、基礎トレーニングから熱が入ります。

普段できない連携プレーでは、同世代からアドバイスしてもらいながら技術を磨きます。刺激を受けているのは池田選手だけではありません。

(大分雄城台・甲斐匠真キャプテン)「他校の選手と一緒に練習する機会はあまりないので、いろいろ質問してくれて、自分たちも教えあいながら良い刺激になって練習ができています」

チームは違えど、白球を追いかける仲間や周囲からの支えを受けながら、池田選手は大好きな野球に打ち込みます。

池田選手:
「泥臭く野球をやりたいです。自分にとって高校野球というのはひとつの青春だと思うので、しっかり高校3年間続けて青春を味わいたいと思います」

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