航海の距離は地球およそ8周分。海の水深や海流などを示した海の地図=海図をつくる十管本部の測量船「いそしお」が老朽化のため、32年の役割を終えました。
十管本部の「いそしお」は、全長21メートル・総トン数27トンの測量船で、1993年3月に就役しました。32年経って、老朽化にともない、きょう3日、引退の日を迎えました。
いそしおは地球8周分に相当する31万5千キロを航海し、鹿児島湾や八代海などの水深や海流など海図に必要なデータを収集してきました。
測量以外にも、1993年の8・6豪雨災害では、海沿いの鹿児島市竜ケ水で、土砂災害によって孤立した人たちの救助活動にも使われました。
(記者)「いそしおの船内には時代の流れを象徴するブラウン管の潮流計が置かれています」
3日に開かれた「いそしお」の任務を解く解役式には、十管本部の職員15人が参加しました。
(十管本部 新村拓郎海洋情報部長)「海洋情報業務は、常に測量船いそしおとともにあった。深く感謝の意を表します」
そして、いそしおの船番「HS22」がペンキで消され、船長が船首と船尾に酒をかけて労をねぎらいました。
(測量船いそしお 上田平由一船長)「船は女性名詞。(いそしおは)相当なおばあちゃん。先輩が丁寧に使っていただいたおかげで、こんなにも長い間使えた」
いそしおの後継は、測量船「さくらひびき」で、今月19日に就役します。
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