29日、福島県いわき市のショッピングモールに人の流れが続く場所が。マイナンバーカードの申請をサポートする出張窓口です。

12月2日から、いまの健康保険証が新しく発行されなくなり、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の本格運用が始まります。このため、マイナンバーカードの普及と保険証へのひも付けを進めようと、県が開きました。県内の「マイナ保険証」の利用率は、10月末までに19.85%、全国平均のおよそ16%は上回っていますが、2割に満たない状況です。

出張窓口では、申請書の記入方法の案内や、無料の写真撮影などが行われました。

訪れた人「マイナンバーカードがなかったのでこの機会に作ろうと思って。保険証もひも付けになるからカードがないとまずいかなと思って」

また、カードの発行申請だけでなく、健康保険証の紐づけのサポートも行われ、29日は111人が利用したということです。

効率よく正確に 災害時にメリットも

少しずつ普及しているマイナ保険証。身近な医療の現場では準備が進み、利用を呼びかけています。これまで保険証を使って薬の処方を行ってきた福島市のけやき薬局では、去年から専用の機械を導入してマイナ保険証での受付を勧めています。多いときで、10%から11%ほどの患者が利用しているろいいます。

まだ多いとは言えない利用率ですが、マイナ保険証を使うメリットは大きく2つあるといいます。

まずは受付がスムーズに、そして正確になることです。

福島薬剤師会・白石丈也会長「保険証を確認して手入力しているので手間がかかる。(マイナ保険証を使うことで)入力間違いを回避できる」

さらに、他の病院などで出された薬の情報が確認できるため、特に災害時にはマイナ保険証を登録することで、服用している薬の情報をスムーズに入手できるため、非常に役に立つといいます。

では「お薬手帳」は必要なくなるのでしょうか?

マイナ保険証を使えば薬の内容は分かるものの、市販薬の情報やデータ以外の所見を書き込める「お薬手帳」は今後も必要だといいます。

マイナ保険証「期限切れ」に注意

12月2日以降、保険証は新しく発行されませんが、すでに発行済みの保険証は最長1年間は使えます。マイナ保険証を利用しない人などには、自動的に代わりに「資格確認書」というものが届きます。

そして、マイナンバーカードに保険証を紐づけしても、気を付けなければならないことがあります。それは「期限切れ」です。マイナカードは有効期限を過ぎると、本人確認書類や保険証など「電子証明書」としての利用ができなくなります。18歳以上の場合、マイナカードそのものの有効期限は10年ですが、保険証など電子証明書としての有効期限は5年です。

これまでの保険証は自動的に更新され、手元に届いていましたが、マイナカードに紐づけすると、5年ごとに窓口で紐づけの更新手続きが必要になります。マイナカードとしては10年使えるのに、マイナ保険証としては5年で有効期限切れ、ということになります。

それぞれ有効期限の2~3か月前には、有効期限を知らせる通知書が届くことになっています。ご注意ください。

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