今週はTBS系列の「地球を笑顔にするWEEK」と連動して、岩手県内のSDGsの取り組みを紹介しています。1日は厄介者のカメムシを地域の魅力に変えようと活動する高校生を紹介します。

このアイデアを生み出した高校生は葛巻町の県立葛巻高校にいます。葛巻高校3年の吉田美桜さん、松本怜実さん、山岸千笑さん、増子花音さんの仲良し4人組は「厄介者のカメムシを地域の魅力に変えよう」と活動しています。そんな4人ですが実はカメムシに対する印象は決して良いと言えるものではありませんでした。

(カメムシはどんなイメージ?)
(4人)
「臭い、臭い、臭いし気持ち悪い」

そんなマイナスイメージの強いカメムシを地域の魅力に活用しようと思いついたのは大阪府から葛巻高校に進学した吉田さんです。

(吉田美桜さん)
「自分の地元はカメムシが全くいなかった。ここで大量にカメムシがいるのにびっくりしてテーマにしようと思った」

生き物が大好きだという吉田さんが地域で大量発生し煙たがられるカメムシをどうにか活用できないかと思い立ったのが4人の活動のきっかけです。

特に食用化の実現を目標にしていて、これまでに地域のカメムシの種類を調査したり、昆虫料理の研究家に話を聞いたりしてきました。生徒たちはカメムシを食料にすることで農業での害虫被害を減らすほか、世界人口の増加にともなう食料危機を解決する一手にもなればと考えています。そんな斬新なアイデアが評価され、ことし3月に行われたSDGsQUESTみらい甲子園の県大会では最優秀賞を受賞し、4人の研究は大きく注目を集めています。

そんなカメムシ研究、実は同じ葛巻町内で10年ほど前にも行われていました。2014年、葛巻町内の江刈小学校では学校に入り込むカメムシの名前を調べる取り組みがありました。当時の児童たちは校内や校庭、家の周りで、37種類ものカメムシを見つけ、この活動は絵本にもなりました。学校には今でも当時作った手づくりの図鑑やカメムシの標本が大切に飾られています。厄介者だったカメムシは学校の宝物になりました。

(髙橋淳子校長)
「『カメムシは僕たちの宝物だね』と言った子どもがいたようで、
厄介者だと思われがちだが、それを宝として考えていくあたりが葛巻ならでは」

髙橋校長は10年経った今、今度は高校生たちがカメムシを研究していることに特別な縁を感じています。

(髙橋校長)
「小学校の時のカメムシ図鑑を作った子ども達が高校生になっているという話を聞いている。やっぱりつながっているんだなとうれしく思いました。活動を続けることに意味があると思うので(学校からも)エールを送りたい」

生徒たちの活動は着実に進んでいます。この日は食用化の実現に向けて専門機関とオンラインで相談しました。専門機関からは「今後はアレルギー成分の有無を詳しく調べる必要がある」とアドバイスを受けました。

(吉田美桜さん)
「(活動が)広がっていく気がして、ドキドキする。葛巻町がミルクとワインとクリーンエネルギーとカメムシの町になったらいいなと思っている」

(松本怜実さん)
「困っている農家の方々がたくさんいることを知ったので、困っている人たちを救えたらいい」

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