「陸奥湾」を震源とする震度4の地震が1週間で2度も発生した青森県。陸奥湾の揺れが伴う地震で「マグニチュード5以上」となるのは実に90年ぶりです。

今回のこの地震を受けて、改めて「防災」について考えてもらえればと思い、青森テレビが2024年3月12日に公開した記事を再度公開いたします。

シリーズ「来るべき災害に青森県の備えは」(全3回)。
本記事はその【#2】の再公開です。

以下、記事全文。

※【#1】・【#3】はリンクからご覧いただけます。

「来るべき災害に青森県の備えは」【#2】

来るべき災害に、青森県の備えはどうすればよいのでしょうか?青森テレビでは、青森県の宮下宗一郎知事をゲストに迎え、一緒に災害への備えを考えました。

その内容をシリーズでお届け致します。テーマは「来るべき災害に青森県の備えは」。【#2】では、『日本海側海溝型地震』について考えます。

「6分」で津波が… 『日本海側海溝型地震』とは

河村庸市キャスター
「それでは続いては、日本海側を震源とする地震についてです。市川キャスターお願いします」

市川麻耶キャスター
「はい。青森県ではマグニチュード7.9の大地震が発生した際の被害想定を出しています。1983年の日本海中部地震では、地震から8分で深浦町に津波が到達したとされていますが、将来予測される日本海側の海溝型地震では、県の想定では、津波の第一波は深浦町舮作地区に「6分」で到達するとされています。また、より沿岸に近い地震の場合は、もっと早く到達するとされています。特徴としては、津波を引き起こす地震の震源が近く、太平洋側よりもかなり早い時間で津波が到達することです」

河村庸市キャスター
「津波の早い到達=早い避難が必要ということかと思いますけれども、これに対して県としての対応はいかがでしょうか」

青森県・宮下宗一郎知事
「ちょっと話の腰を折るようで申し訳ないんですが、これは太平洋だろうが、その日本海だろうが同じで。最も大事なのは県としての対応というのは、施設を整備したり、情報のプラットフォームっていうのは、ちゃんと取り組みますよ。だけれども、やっぱり早い避難っていうことで一番大事なのは、やっぱり私達県民1人1人の「日頃の備え」。これに尽きるんですね」

「やっぱりご自身のいる場所が、津波の浸水エリアなのかっていうことを、まず把握していただいて、それでハザードマップを見て、どこまで逃げれば大丈夫なのかっていうことを把握していただいて、そこまで行くのに何分かかるんだっていうことをですね。やっぱりまず、ちゃんと想定していただくということが大事なんだと思うんですよ。118万人県民の皆様はいらっしゃって、例えば県庁の職員みんなで応援しに行くって言っても、県庁の職員といっても4000人弱しかいない。それで、警察官も2000人ちょっとしかいない。さらに、消防とか自衛隊って合わせたって118万人を一気に避難させるなんてことは、これできないんですね」

「だからやっぱり6分っていうことは、もう揺れた瞬間から逃げ始めないと、もう間に合わないわけですから。やっぱりまずは、正直申し上げて、自分の置かれてる状況をまず把握して、逃げる想定をするというところを、それぞれがやっていただかないと。なかなかこれはですね、難しいなというふうに私は思っています」

「過疎」「高い高齢化率」と防災

河村庸市キャスター
「いわゆる自助の重要性というのもあるかと思うんですけれども、沿岸部は過疎地域も多いほか、高齢化率も高いという現実もありますけれども、これは自助にも限界がある部分もありますでしょうか」

青森県・宮下宗一郎知事
「その通りですね。ですから、そのときには共助という考え方が次に必要になって。ご近所の中で助け合うということ。それからさらには、自主防災組織というのをしっかり結成していただいて、いざというときにどうやってみんなで逃げるかということを考えていただく。さらには地域には防災士っていう方もいらっしゃいますから、その防災士に相談をしてですね。しっかりと地域の。お住まいの地域の助け合いの体制を整えておくということが、非常に重要なんだというふうに考えています」

河村庸市キャスター
「自主防災組織も地域の中でどうしても多く組織しているところもあれば、あまりないところもあるかと思うんですけれども。高齢化も進んでいまして、青森テレビの取材では、町内会単位での維持が困難という地域もありました。その辺りいかがでしょうか」

青森県・宮下宗一郎知事
「そうは言ってもですね。困難だと言ってしまえば、もうそれで終わりなんですね。でも、その困難をやっぱり各地でしっかりと乗り越えていただくということが大事だと思いますし、やっぱり名簿を一つ作るのでも、今大変な状況にあると。私も市長をやってましたから、よく存じ上げてます」

「ですけれども「自分の命を守る」「大切な家族の命を守る」っていう観点からですね、必ずこの自主防災組織というものは非常に意味のあるものだと思いますので、まず、ご自身で逃げる段取りと、それから地域で助け合う段取りっていうのは、これは必ず私は必要になると思います。これは正直に申し上げますけれども。本当にそう思います」

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