(村上真惟記者)
「見てください。ものすごい数のトラックが並べられています。今からオークションにかけられる中古車なんです」

円安の影響は中古車市場にも。
ここは全国展開する車のオークション会社の名古屋会場です。
普通車から商用車まで、取り扱う中古車は年間40万台から45万台。

今扱う中古車の8~9割が海外に輸出されています。

(荒井商事 東馬圭一 取締役)
「円安になることによって、海外でドルを持っている人が買いやすい環境はあると思う」

この日、買い付けに来ていたバイヤーのほとんどが外国人。

(バイヤー)
「毎週来ている。モンゴルに(輸出する)」

(バイヤー:タイやチリに輸出)
「毎週来ている。多いときは10台近く買うこともある」

(バイヤー:タイやアフリカ諸国に輸出)
「結構きれい。あまり乗ってもいないし年式も新しい。だからいいと思う」

中古車オークションに円安効果は?

名古屋会場はオープンしてちょうど1年。

まだ新しさを感じるオークション会場のモニターには入札価格が表示され、30秒ほどで競り落とされていきます。

(バイヤー)
「買う車は10台くらい。中近東のドバイとアフリカ方面(に輸出する)」

円安効果について聞いてみると?

(バイヤー)
「気持ち的には円が安くなっているから買いやすい。ただ実際はあまり変わらない。円が安くなるとオークションが高くなる。プラスマイナスで、あまり変わらない」

(バイヤー:タイやチリに輸出)
「円安になる前と比べて(中古トラックの価格が)1.5倍になっていると感じる。円安で、すごく儲かっているという感じではない。仕入れも一緒に高くなってしまうので」

国内の中古車市場への影響は

海外のバイヤーにとって、日本の中古車が手の届きやすい値段にはなってきているので円安は歓迎というものの、こんな声も…。

(バイヤー:フィリピンや南米に輸出)
「問題はフレート代」

フレートとは海上輸送の対価として支払う運賃のことで、その値上がりの影響で円安効果はそれほどないとバイヤーの男性は言います。
それでも、日本の中古車の魅力について。

(バイヤー:フィリピンや南米に輸出)
「日本の(中古車は)いいものだから長く使えるからいい。いいコンディション、メンテナンス大事だから。いいもの、いっぱいある」

一方で、国内向け市場ではこんな問題も。

(荒井商事 東馬圭一 取締役)
「海外の人が今の円安の環境で多少高くても、割安に手に入るということで。たくさん買われることによって、日本の中古車の価格が上がり(国内で)日本の中古車を求める人にとっては、なかなか買いづらい環境もあると感じる」

コロナ禍の半導体不足などで新車の供給がにぶった自動車業界。

中古車も、あおりを受けた状態になりましたが、複数の中古車業者に聞くと「最悪の状態からは持ち直した。国内消費者にとって、いつが買い時と言えるのかは先行きは不透明」という声がほとんどでした。

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