能登半島地震から10か月。11月9日に氷見市長に就任した菊地正寛市長が14日、被害の大きかった姿地区を訪れ住民と意見交換しました。転出が続き急速に過疎化が進む地区の住民に新市長はどのように答えたのでしょうか。
13日夜、氷見市姿地区で行われた住民と市との意見交換会…。
9日に新市長に就任した菊地正寛市長が、復旧・復興を円滑に進めようと企画したもので、地域住民25人が参加しました。
氷見市 菊地正寛市長
「今回まずは市長就任後お話をお伺いしたいということでこの場にお伺いさせていただいております。皆様方から忌憚のないご意見、率直な思いお聞かせいただきたい」
意見交換会では住民の代表が地区の課題を説明。真っ先に挙がったのは…
住民の要望をまとめた 北鹿孝誓さん
「ゴーストタウンみたいになって人が少なくなって寂しい思いがありますね。公費解体が進んでいる中で、更地になっているところがあるんですが、それが荒れ地になって維持管理が問題になってくることが予想されます。姿地区は景色がきれいなところですので景観の保持でありますとか今後の利活用に課題を残しております」
富山湾最大の島・虻が島から1キロの場所にある姿地区。地震から10か月…
海岸線では倒壊していた住宅の公費解体が進み更地が増えました。公費解体は現在も続いていて少なくとも14棟の建物が地区から姿を消しました。
顔を見て話すことが元気の一つになる…
地震前には住宅街だった景色が一変し、住民の生活にも影響が出始めています。
住民
「この家の陰になってたから納屋もあったし。こうやってまともに(虻が島)が見える。風もまともに当たってくるし、さみしいのと両方の問題が出てきます」
地区では地震前にいた57世帯のうち4分の1にあたる15世帯が集落を離れていきました。
住民
「話し相手おらんし。気の利いたものもおらんようになるし。大事な人はみんな街へ行ってアパートに入ってるから。そして戻って来ん人もだいぶいるみたい…」
過疎化に伴って高齢化も急速に進み地域のコミュニティの維持が大きな課題となっています。
意見交換では、地区を離れた住民が家を新築する際の地盤改良費の補助や小人数の家族が住める住宅の建設を求める声も挙がりました。
住民の要望をまとめた 北鹿孝誓さん
「知った人の顔を見て話すことが元気の一つになるんじゃないかなというふうに思います。1人でも姿に戻っていただけたり、いろんな人が姿に来ていただけたりして、地域が元気になればというふうに思っています」
海と山の魅力を発信、コミュティ維持を
さらに、住民からは地区外からの移住を促す支援策についても要望が上がりました。
氷見市姿地区 山本譲治区長
「姿もやっぱり景色もいいし、移住者の方の受け入れとか受け入れする時も住宅を建てれば移住者も出来るがじゃなかいなという思いもあるもんで、そういうのも検討してほしいという思いがある」
氷見市 菊地正寛市長
「姿地区非常に山もあって海もあって大変いいところだということを改めて思いましたし、こういった魅力を県外の方にも伝えて、移住者の方にも来ていただくような案もあるんだなということを、ここにきて感じさせていただいて有難く思っています。そういったことも含めて、またこの姿地区を今後どうしていくか、また住民の皆様と市役所と意見交換しながら進めていきたいと思っています」
意見交換会を終え菊地市長は…
氷見市 菊地正寛市長
「姿地区に戻りたいと思っておられる方も、関りもずっと持っていたいという方も多いということがよくわかりました。そういう意味でもこの姿地区のコミュニティをしっかりと維持していけるような応援を、市としてもしていけたらなと思います」
意見交換会は12月1日までに3つの地区で行われ、菊地市長は住民の意見を踏まえ新年度当初予算案に反映してく考えです。
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