元外務省職員が立ち上げたベンチャー企業が紙の可能性を追求して開発しました。石油由来のプラスチックと比べると、二酸化炭素の排出量が削減でき、リサイクルで半永久的に使用できるという環境に配慮した新素材を紹介します。

東京・港区にあるベンチャー企業カミーノです。

山梨県富士吉田市出身の深澤幸一郎さんが立ち上げました。

この企業が開発したのは、環境に配慮した新素材、PAPLUSです。

カミーノ 深澤幸一郎社長:
「プラスチックに代わる新しい素材として紙の可能性を感じたんですね」

PAPLUSは、成分の約9割が紙と植物由来のプラスチックです。

古くなると砕いて新しいPAPLUSに混ぜて再使用ができるため、半永久的に使えます。

石油由来のプラスチックと比べると、二酸化炭素の排出量が約80%削減できるという環境に配慮した素材です。

カミーノ 深澤幸一郎社長:
「東南アジアのケースですけれども、結構 日本語が書かれているプラスチックごみ、ペットボトルみたいなものですね。そういうものがあるわけですね。これはどこから来たゴミなんだろうと考えるようになりましたね」

深澤さんは外務省の職員時代、アフリカや東南アジアの国々でプラスチックごみの山を見て、PAPLUSの開発に乗り出しました。

カミーノ 深澤幸一郎社長:
「世の中で誰も作ったことがない素材だったんですよ。僕自身も難しいと想像していなかったこともありますけれども、なかなか大変な道のりでした」

3年かけて素材が完成し、多くの人に手に取ってもらうために始めたのはPAPLUSを使ったタンブラーです。

タンブラーは「温室効果ガスの排出抑制が緻密に設計された」ことなどが評価され、国内の優れたデザインやビジネスモデルに贈られるグッドデザイン賞を受賞しました。

山中湖村 高村正一郎村長:
「脱炭素、こういったものをしっかりと村が中心になって進めていく、これが大事ではないかと思います」

また、環境に配慮した持続可能な観光地を目指そうとカミーノは4月、山中湖村と連携する協定を結びました。

カミーノ 深澤幸一郎社長:
「今、脱炭素あるいは脱プラスチックが叫ばれている中で、(PAPLUSは)いろんな企業が求めている素材の一つだと思うんですね。普及のお手伝いをしていきたいと思っています」 

 

環境に配慮した素材の普及は地球を笑顔にすることに近づくといえそうです。

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