アメリカ大統領選でトランプ前大統領が当選確実となった後、全米の30州で黒人に人種差別的なメッセージが届くという被害が相次ぎ、当局が捜査に乗り出しています。
トランプ前大統領がハリス氏を破って勝利したアメリカ大統領選挙。
トランプ氏の当選が確実とされた6日から、アメリカ各地に住む黒人の携帯電話に匿名の送信元からこのようなメッセージが届きました。
「あなたは最寄りの農園で綿花を摘む作業に選ばれた。持ち物を持って正午に集合しろ。農園に入ったら身体検査を受ける覚悟をしておけ」
アメリカ南部では綿花を栽培する農園で黒人が奴隷労働を強いられた歴史があり、命令口調で書かれたこのメッセージはその歴史をふまえたものと見られています。
CNNによりますと、全米の少なくとも30の州でこのメッセージが確認されていて、メッセージは10代の学生にも届いたといいます。
メッセージを受け取った人
「あまりに衝撃的だったので、すぐメッセージを返信しました。『これは誰?冒涜だ』と思って。電話をしてみたら、偽のメッセージだとわかったんです。偽の番号だったんです」
さらに、「トランプ氏の仲間の1人」だとする送信者から、13歳の甥がメッセージを受け取ったという男性は。
甥がメッセージを受け取った人
「『メールが来て僕たちは綿花摘みの労働者になり、給料をもらうとか迎えに行くと書いてある』と言われた。『どういうことだ?』と。メッセージを読んで、『何も心配することはないよ』と彼に言いました」
また、こうした差別的なメッセージは受け取っていないものの、怒りをあらわにする人もいました。
市民
「誰かに向かって過去のあの時代に戻れと言うのは、やってはいけないことだと思う」
黒人に送られた人種差別的なメッセージについてFBI=連邦捜査局は7日、声明で、司法省や他の連邦当局と連絡を取り、捜査に乗り出していると明らかにしました。メッセージが出回っている背景にはトランプ氏の勝利が影響しているとの指摘もあり、人種間の憎悪や分断の拡大が懸念されています。
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